第1回で「なぜ?今?投資?」をすることが必要なのかについて大枠をお話ししました。「なにもしなければお金はふえない」ということです。なぜなら、国内においては30~40年ほど前のように、世の中の金利が高くないからです。この状況は、まだまだしばらく続く傾向が強そうです。
昔は金利が高いと銀行等にお金を預けるだけで、時間が経つと残高が倍になっていたものですが、現在は到底そんな環境ではありません。
では、この環境でどうやって投資をしていけば良いのでしょうか?それはしっかりと足下の投資環境をみて行動していけば良いのだと思います。そんな・・・いきなり行動なんて!?と思われるかもしれませんが、決して難しいことではありません。まずはやってみる、はじめることが大事なのです。
では、具体的にどのように投資していくのか話していきたいと思います。
まず、お金(資産)を何に投資するべきか?ということですが、できるなら“将来があるもの“に投資したいものです。宝くじや賭け事は大きく増える可能性もありますが、ゼロになる可能性が非常に高いと思います。これらは投資ではなく「投機」と一般的に言われています。つまり、「投機=一獲千金」ということです。
投資するなら、ある程度”実“になる可能性のあるものに投資することをお勧めします。
もちろん将来があるもの=自分自身であれば最高!ですが、例えば、「世界No.1に輝いた高校生ダンサー」、「CO2削減に関して世界的発明をした高校生」などに資金を投資するのも一つの手でしょう。しかし、一般的に広くあまねく手軽に投資できるのは、”会社“ではないでしょうか。
次に投資するための資金を確保する必要があります。決して多くなくてもいいのです。少額から始めればいいのです。例えば、1ヵ月に5千円、1万円でいいのです。これくらいなら大抵の人にもできることかと思います。
それでは、手軽に投資できる“会社”への具体的な投資手段についてご説明していきます。まず、“会社”にとって将来の礎となるもの・・・それは「資金」です。
この資金については、世の中から調達する必要があります。代表的なものに、株式と債券(社債)の発行があります。もちろん、銀行から直接借りるという手もあります。皆さんに馴染みがありそうなのは社債よりも株式の方でしょうか。ある会社の株式を購入するということは、その会社に投資することにほかなりません。会社は株式を発行して資金を調達し、それを将来につなげる設備・人材などに投資しているわけです。
株式に投資する・・・、難しそうですが、そんなことはありません。例えば、投資手続きなどは、ひと昔前までは証券会社まで行って株式の売買手続きをしなければなりませんでしたが、今の時代はスマホからでも投資が可能です。そして、一番大事なのが投資についての考え方ですが、これも順を追ってご説明いたします。
一般的に株式は値動きが激しいと言われます。日々の価格変動が激しいということです。購入した株式すべての値段が上昇するなら、これほど爽快なことはないと思います。しかし、現実はそうではありません。値段が上がったり下がったりするものです。そして一定期間の後に、購入時点からどれほど値段が上がっているか?がおおよそのポイントになります(株式には値上がり益のほかに、配当がある場合がありますのでおおよそのポイントと表現しています)。ただし価格変動が激しいですから、その日々の動きにヤキモキしていたのでは、たまったものではありません。例えば、株式を購入しました→株価の動きが気になりだした→株価の動きで頭がいっぱいで、仕事も手につかない・・・。これでは投資によって将来のイベントに備えようとしているのに本末転倒ですね。
こうならないためにも、「価格変動を幾分か抑えて安定的に投資の経過を見ていく。そして投資の果実(収益)を得ること」が大事になります。そしてそのためには株式オンリーの運用ではなく、他の運用資産も組み合わせるという考え方があります。株式の価格変動を抑えるものと期待されるものの代表例が、債券であり金(ゴールド)といった資産になります。これらは一般的には「安全資産」と言われ、基本的には株式と逆の動きをすると期待されています。
いや、株式と逆の動きをする資産を組み入れるということは、なにかもったいない、マイナスなのでは?と思われるかもしれませんが、筆者はそれで良いと考えています。株式オンリーですとその動きに翻弄されがちですが、値動きが異なると期待される資産を組み入れることで運用資産全体の動きがまろやかなものになることが期待されます。その結果、一定程度の収益を得られれば十分と筆者は考えています。
もちろん、株式一本で投資を開始→株価が高くなったところで売り抜け、大きな収益を得る。これはこれで妙味がありますが、百発百中というわけにはいきません。しかも、これだけの大きな収益を得るということは、その値動きもかなり激しいものとなるでしょう。
気が気でならない時間帯がきっと増えると思います。そうではなく、運用資産全体の動きをまろやかなものとし、普通の生活をしながら、なおかつ一定程度の収益を得るというのが理想ではないでしょうか?
そのためには、投資資産をいくつかに分ける「分散投資」が重要になってきます。
一口に「分散」と言っても、いろいろな分散があります。
・資産種類(株式・債券・金・不動産など)の分散
・投資地域(国内・海外)の分散
・投資(購入、買付け)タイミングの分散
などです。
資産運用の基本は、筆者も株式・債券と考えています。ただし、この株式・債券に近年ではかつてない異変?が生じてきています。
株式はもともと価格変動が激しいと考えられていますが、それにも増して近年の価格変動は激しくなってきています。値動きが激しいと不安になりますよね。
債券は海外の債券金利は一定程度あるものの、国内ではほとんどゼロに近い異様な状況です。
こういった状況を何とか緩和する・補足する他の資産を運用ポートフォリオ(複数の資産を組み合わせた投資配分)に組み入れる必要があると考えます。
株式・債券の他に運用資産全体の動きを緩和すると期待される金であるとか、国内の低金利を補足するためには比較的高金利である海外の債券であるとか国内債券よりも高配当利回りが期待される不動産投資信託(REIT)等を組み込むことが考えられます。
また「さあ、運用をはじめよう」となった段階で、一度に上記の資産を購入することはお勧めできません。購入したタイミングが各資産の安値であればそれに越したことはありませんが、いつもそうとは限らないことの方が多いと思います。これを解決するには購入タイミングを複数回に分ければ良いのです。例えば、10の資産を購入する場合、10回に分けて1ずつ購入するといった具合です。
投資は「一獲千金」ではありません。時間をかけて、しかも安心感を持って、普通の生活をしながらじっくりと育てていくものです。
さあ、まずは始めてみましょう!まずは株式・債券を中心に組み立て、そのほかに金・不動産投資信託などいろいろな資産で運用ポートフォリオを組み立てましょう。
これが投資の第一歩です。
次回は本コラム「金投資とは」の本題である金について、その特性はじめ更に深掘りしていきたいと考えております。
第3回へのアクセスも期待いたしております。
【前回】
【第1回】 なぜ?今?投資?
【次回】
【第3回】 金の素顔(1)