株暴落中。日経平均800円超安。NYダウ600ドル超安。逃避マネーの一部は金にも流入中。
昨晩、BSテレ東「日経プラス10」に生出演したのだが、番組の最後に、最悪シナリオを聞かれたので、「日経平均2万円割れ」と答えた。更に「私はそうなるとは思わないが」と付け足した。その後、昨晩、NY株価は大幅に急落した。筆者は依然そうなるとは思わないが、日経平均2万円が視野に入ってくる展開となっている。
そもそも、昨晩は「サウジ異変」がテーマで前半は本欄に連日書いてきたことを要約して語った。そして、後半に「今後の相場動向」のテーマに移行。筆者がNYでヘッジファンドに日本株レクチャーを依頼され議論したときの要点を語った。
「日本株売買する所謂外国人投資家には、ウオール街を離れ、ビルの一角で大型コンピューターを駆使して、高速度売買に従事する独立系短期投機筋が多い。ひたすらAIとチャートを武器に、売買攻勢を仕掛けてくる。彼らの注目はミスターアベよりミスタークロダだ。特に日銀出口戦略の行方について興味を示す。日本では2020年など未だ先のこととされるが、彼らはFRB,ECBの次はBOJとして、切迫感を持ち日銀の出口をフォローしている。特に、25兆円程度に膨らんだ日銀株ETF購入残高をどう処理するのか、と聞かれる。この日銀買いにより日経平均は4000円ほどかさ上げされているのではないか、との意見もあった。そのかさ上げ部分が剥落したら、日本株を本格的に買う意欲を見せていた。筆者は、日経平均は23000円台が居心地よい水準と思うが、短期的には外国人投機的売買により、大きく乱高下しよう。」
このような市場環境で、NYダウは連日乱高下を繰り返しており、昨晩は引けにかけ下げ足を速め608ドルもの急落を演じた。特にキッカケとなった大きな要因は見当たらない。AI発の売りが売りを呼ぶ連鎖現象といえよう。日本株も中期的に悲観論が増えそうだが、ここは、短期投機筋にとって草刈り場となる。先物で売られたものは必ず買い戻される宿命にある。個人投資家にとっては、ファンダメンタルズの企業業績をじっくり見定める段階であろう。株価急落の背景には、通商摩擦、新興国経済不安による世界景気曲がり角の可能性がちらつく。ミクロ、マクロの複眼構造で市場を見ることが欠かせない。