ドル建て国際金価格は、KITCOグラフの如く、4,400ドル近辺で短期的に膠着。
日本人投資家が気になる円建て金価格は、ドル円相場次第だが、こちらも、暫時153円台で短期的に膠着。
どちらにも共通していることは、ベッセント米財務長官の二つの「市場介入」が影響していること。

まず、ドル建て国際金価格については、虫の目で見れば、今週発表のCPI。魚の目で見れば、9月FOMC。
そして鳥の目で見れば、40兆ドルまで膨張してしまった米国の債務。

FRBの利上げ問題はウォーシュ議長の管轄事項だが、米国債務問題は、ベッセント財務長官がかかえる大きな経済問題。

米国の借金証文ともいえる超長期国債(30年物)の利回りは直近5.29%と、近年では極めて高い水準にある。
これは、米国がカネを借りようとしても、年率5%以上を30年間払う約束を強いられている、ということだ。
更に、年率5%ともなると、米国債の利払いだけで、年率1兆ドルを超えてしまう。

これは、なんとかせねばと、ベッセント氏が、打って出た手段は、米国財務省が、自ら発行した30年国債を買い入れ消却を(バイバック)という、債券市場への市場介入であった。
ところが、介入で根源的財政赤字が解決できるはずもないから、マーケットは単なる時間稼ぎとしか見ず、米30年債利回りは依然高止まりしている。タームプレミアムも高止まり。

そこで、ベッセント氏は、昨晩、米国債バイバックの第二弾を発表。60億ドル規模と金額を明示したが、市場の反応は「それぽっち?」と、物足りない様子で、「もっと増額」をおねだりする有様。
なまじ、バイバックなどに踏み切るから、財務省が財政赤字問題に手こずっている実態が露わになり、市場の財政不安は強まった。

これが、鳥の目でみた、長期米国経済アキレス腱で、ドルへの信頼を弱め、金には追い風となっている次第。

そして、ドル円問題。
これもベッセント長官が、協調介入に踏み切り、その後のことは、昨日、詳述したところだ。

昨晩のNY市場では、投機筋とベッセント氏の睨みあいの様相であった。
日銀利上げについては、1回程度の利上げでは円安の流れは止められない。
植田日銀総裁や側近の日銀審議委員たちが、強力な利上げコーラスでもしなければ、効果は薄かろう。

それにしても、ヘッジファンド時代に、投機的円売りで大儲けしたベッセント氏が、今や、その投機筋を威嚇して、円売りを思いとどませる立場になろうとは。

そうこうしているうちに、米テキサス州、ダラスでは、異例の共和党大会が始まる。
その実態は、支持率急低下のトランプの決起集会。
焦るトランプ氏は、若頭格の、ベッセント氏やウォーシュ氏の尻を叩くことになりそう。

鳥の目で見れば、金の4,400ドルも、円建て金価格も、バーゲン価格!