多くを語らず、手の内は見せないウォーシュFRB議長ゆえ、ジャクソンホール中央銀行シンポジウムでも、たいしたことは言うまい(言えまい)と思っていたが、蓋を開けてみたら、なんと饒舌な議長に変身していた。
演説の半分は、インフレ、利上げの話。「我々にはやるべきことがある」と、利上げを強く匂わせた。勿論、「利上げ」に直接言及するはずもないが、文脈から推して、市場は、これは利上げ示唆だよね~と思わざるを得ない講演文。
まぁ、英文解釈の領域とでもいえようか。
利上げが天敵の金価格は、ストンと100ドル以上の急落。
といっても、その実態は、例によって、投機筋の見切り売り。
金の上昇基調が続いたから、ここは、恰好のポジション整理の言い訳になった。
それゆえ、魚の目でみれば、金5,000ドルへの道は変わらず。
この点については、池ちゃんとのyoutubeが、予定通り、週末に配信され、議論されている↓
【ゴールド上昇】5000ドル到達後に暴騰!? 今は「嵐の前の静けさ」/なぜ金利高でも価格上昇するのか/虫の目・魚の目・鳥の目で見よ/中央銀行、財政政策、金融政策の影響《豊島逸夫×池水雄一×大橋ひろこ》
(5,000ドルに接近すると、レバレッジかけた連中が市場に入ってきて、暴れる、ボラが高まると、私は発言したのだが、それが、「5,000ドル到達後に暴騰!?」になってしまった。youtube屋さんは、あくまで、派手に上げるか、暴落か、刺激的表現を好むねぇ)
なお、収録日がジャクソンホール会議前日だったので、この下げについては、語られていない。
中途半端で終わらせたくないので、Youtubeの「豊島逸夫チャンネル」を、ひっさしぶりに復活させて、語ろうかと思案中。
札幌で、私の苦手なネット関連を諸々支えてくれる専門家が既にスタンバっている。最近の傾向では、Youtubeより、インスタが、経済を気楽に語るメディアとしても使われているので、そっちで行くかも。但し、私の現行インスタ アカウントは、グルメ関連で、しかも、殆ど、アップデートされていないので、新たなアカウントを設定せねばならない。
さて、急落に話を戻すが、今後の展開に大きな問題を残すことになりそう。
ウォーシュ氏率いるFRBは政策金利上昇に動き、対して、ベッセント氏率いる財務省は、米国債市場への介入で、力づくでも長期金利上昇を抑え込む姿勢。
金融政策と財政政策が微妙に異なり、市場は、その結果を読み切れず、不安な状態に置かれる。
結果的には、米債券市場という世界最大のマーケットに介入しても、巨額の米財政赤字を減らすというファンダメンタルズを変える政策を実行せねば、単なる先送りに終わってしまう。
しかし、中間選挙を控え、支持率下落中のトランプ親分にしてみれば、軍事費や社会福祉関連の支出を削ることなど出来るはずもない。
せいぜい、カナダなどをやり玉に挙げ、関税を引き上げる程度のことか。
そこで、トランプ親分は、不機嫌になり、若頭のベッセント氏とウォーシュ氏に、つらくあたることになろう。
ウォール街では、トランプ一家の蜜月の終焉、などと語られている。
特に、FRBに対する政治的介入は、常々、懸念されてきた問題。当面は、ウォーシュ氏を擁護して、取り巻きのFOMC・FRB高官たちに非難の矛先を向けてきたが、いざ、利上げ、ともなれば、それこそ、トランプ氏とウォーシュ氏のハネムーン期間も終焉を迎えるは必至。
そこまで先読みすると、ジャクソンホールでのウォーシュ氏の利上げ示唆は、「序幕」で、これから、金融・財政政策の不安要因が顕在化することで、安全資産としての金の需要は更に高まることになろう。
特に、安全資産の代表格とされてきた米国債に火が付いたことで、マネーが金に流入する現象が、加速することになろう。
そもそも、ジャクソンホール後の金急落は、市場内部的な視点でも、短期投機家がふるい落とされたに過ぎない。
ここは、「虫の目」ではなく「魚の目」で、金市場の「底流」を見極めることが大事だよ。


