ベッセント氏は、徹底的に、米国超長期債の利回り上昇を封じ込める姿勢だ。

米債券市場での米国債買い戻し(介入)のため、更に1兆ドルもの資金を、財務省の「一般口座」から支出する用意があると発言。
それほど米財政赤字は危機的状況にあると公的に認めているようなものだ。
同氏の裏にはトランプ親分の姿がちらつく。

「中間選挙前の金利上昇は、住宅ローン金利に直結するから、なんとしても食い止めろ!」と、背中を押されてのことであろう。
この債券市場介入が時間稼ぎ、血止め、程度の効果しかないことは、元ヘッジファンドのプロ、ベッセント氏が最も良く知っているはずだ。

金市場の視点では、苦渋の決断、財政問題の危機的状況を映す現象。
金買いに拍車がかかる。

更に、ベッセント氏は、対イラン、「史上最大」新経済制裁も発表。
イランと取引する国に対して、「例外はない」。
金市場の視点では、米ドル資産を多く持つと、いつ、制裁の対象となるのか分からない、という警戒心が強まる。外貨準備も、ドルではなく、金で持つという発想が益々強まろう。

今回の新制裁のなかに、「金」も含まれるが、これは、イランによる金売買を禁じること。金市場全体への影響は軽微である。

もし影響があるとすれば、世界の中銀の金塊を大量に保管するNY連銀から、金を引き出し、自国へ戻す事例が出る可能性か。香港やシンガポールのように、公的金保管サービス施設の建設を進めている国にとっては、チャンスになるかも。

そして、最も重要なことは、ドルを差し押さえられる可能性を嫌い、中央銀行が外貨準備として金を増やす傾向を、いやがうえにも高める可能性だ。


さて、今週はいよいよジャクソンホール中央銀行シンポジウム。
27日米国時間午前10時から、ウォーシュ氏登壇。

ウォール街は、寡黙なウォーシュ氏も、何か語らねばなるまい、との認識のもと、興味津々の様相だ。仮に、FRB利上げに言及すれば、これは、金価格下落圧力となる。筆者は、結局、大したことは語らない(語れない)と推測しているが。いずれにしても要注意。

なにせ、ウォーシュ氏は、FRBが金融政策方針を自ら明らかにするべきではない、との考えで、まずは債券市場での金利の動きを見て、FRBとして反応するという方針。

ウォーシュ氏とベッセント氏の立場の違いも微妙だ。
ベッセント財務長官は断固、長期金利上昇を抑える姿勢。
対して、ウォーシュFRB議長は、インフレ退治のために、政策金利上昇を考慮せねばならない立場。

米国経済にとっての最悪のシナリオは、ウォーシュ議長のインフレ退治の利上げに対して、ベッセント長官は、金利上昇を抑え込むことで、FRB利上げ効果を妨げる結果になること。
結果的に、利上げが後手に廻り、インフレが加速することになりかねない。

親分格のトランプ大統領も、中間選挙前に、インフレ加速は、絶対避けたいところ。
さぞ、イライラしていることであろう。支持率低下中だしね。

なお、下記は日経新聞関連記事。
ドル離れ「ディベースメント取引」再燃の兆し 金や仮想通貨にマネー - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB245U30U6A820C2000000/


さーて、今日の札幌は25度。
いよいよ秋めいてきた。
朝方は底冷え。35度予報の東京より10度低いよ。

写真は、トマトと名物  雷電スイカ。
赤色野菜・果物の競演。