前日のkitcoグラフ


一昨日、本欄で日米財政赤字膨張を危惧、日米長期国債売り叩き、日米長期金利急上昇が悪い金利上昇となり、金が買われていることを詳述した。
米長期金利上昇の連鎖、金市場では買い要因に
https://kikinzoku.tr.mufg.jp/ja/blog/market/archive/archive-9215182600836063642201.html

この現象が、ドイツ、フランスなど欧州国債にも波及。結局、主要国は、膨大な公的債務を抱えていることが、改めて印象づけられた。特に「米連邦債務が初の40兆ドル突破、財政危機に警鐘」などと報じられ、中間選挙を控えたトランプ大統領にも、重大な問題となった。

そこで、助け舟を出したのが、ベッセント財務長官。
日米外為協調介入に続くかたちで、米国債券市場救済介入案を発表した。
米国超長期債の買い介入だ。債券は買われれば、利回りは低下する。
米30年債利回りは即5.18%と発表前の水準より0.09%低下した。
債券の世界で、9ベーシスポイントという下げ幅は、急落扱いである。

結局、金市場そして株式市場でも、財務省が長期債の買いを増やすということは、量的緩和にも似た効果が期待されたのだ。

これで、国際金市場の上昇基調が加速。4,500ドル台を突破した。
次の目標は200日移動平均線の4,625ドル。

但し、米財務省は、長期の借金を減らすかわりに、短期の借金(財務省証券)は増やす結果になろう。サラ金で借り繋ぎ、なんとか、当面を凌ぐようなものだ。
米国財政赤字の本丸(放漫財政)というファンダメンタルズは変わらない。為替介入同様に、時間稼ぎにしかならない。しかも、長期の買い入れに依存するということは、長期債のほうが、価格変動は激しいから、市場は荒れる可能性が強まる。

それでも、敢えて、「奇策」に踏み切ったことは、元ヘッジファンドのベッセント氏ならではのリスク覚悟の苦渋の決断といえよう。

なお、米財務省の国債買い入れは、緩和的効果で、インフレを助長するリスクもあり、ウォーシュFRB議長にとっては、頭の痛い問題となる。

ちなみに、昨晩、前回FOMCの議事録が発表され、「政策金利据え置き」に対する反対者が公表された3人のほかにもいたことが判明。FOMC内の亀裂が益々露わになった。

それから、外為市場は、素直にドル金利下落を映し、ドル安に振れた。
これも、金には上げ要因。

総じて、金市場は都合の良い材料を重視して買われる傾向があるとはいえ、4,500ドルを突破したという事実は重い。