毎年ポルトガルの観光都市シントラで開催されるECB中央銀行フォーラムが昨晩行われた。ECB、イングランド銀行、カナダ中央銀行のトップと登壇したウォーシュFRB議長。(我が国の植田総裁の病気のことも語られていた)。市場は、寡黙とされるウォーシュ氏がパネル・ディスカッションで何を語るか、興味津々で見守った。

そこで、金価格が反応したのは「インフレ期待は減少しつつある」との発言。原油価格が落ち着いてきたゆえの現象だが、金市場は、すわ、タカ派的インフレ対策後退かと受け止め、利上げ観測も後退かと早とちりした。しかし、その後に、「物価安定を実現させる」と、利上げを改めて示唆。市場は、やはりタカ派かと受け止めたのだ。

結局、金価格は4,000攻防が続くことになった。QTの問題も先送りされた。

そして、今晩は雇用統計発表。
結果次第で、3,900ドル台進行も、4,100ドル突破もあり得る。

さて、ウォーシュさんだが、私は好きだね、彼の言動・振る舞いが。スマートな言い方で、意地悪な質問も切り抜ける。決して言質を取らせないが、適宜、ジョークも入れ、突っぱねるような発言はしない。まだ、就任直後だが、なかなかのやり手と見た。今後が楽しみ。

金市場も、今後は彼とつきあってゆくことになる。まぁ、「楽しみ」と言ったが、金価格には、上げ要因になるか、下げ要因になるかは、データ次第。トランプ大統領からの「利下げ圧力」について問われたときも、「FRBの独立性は重要」と、サラッと語った。さて、二人の蜜月はいつまで続くことか。

今は、誰がFRB議長になっても、物価と雇用の安定を両立させることは容易ではない。株式、債券、外為、そして商品と、全ての市場がハラハラしながら見守っている段階だ。