中国の金現物需要が底堅い。
金輸入量は、本年4月157トン、5月163トン。1-5月では692トン。前年同期比で76%の急増となる。6月は、金価格急落で、さすがに買い控えが目立つようだが、基本的に、中国人の金地金選好度の高さは変わらない。急落で一時、模様眺めの姿勢にせよ、いずれ、押し目買いが急増すると筆者は見る。
欧米では、中国人の金現物買いを「バーゲンハンター」と呼ぶ。民族のDNAといっても良かろう。一人一人の購入量は少ないので、地味で、外電が報じることは稀だが、なにせ購買者数が多いので、総量はかなりの数字になるのだ。
更に、中国版「純金積立」も好調のようだ。筆者は、中国の大手銀行に日本流「純金積立」導入をアドバイスして現地で銀行の貴金属部と一緒に、立ち上げを手伝った。(未だ金ETFが上場される前のことだ)。
その模様を、2022年1月18日づけ本欄で書いている。↓
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とにかく、純金積立の会員数がとてつもなく多かった。先述の中国金輸入量の中に占める純金積立の割合もかなり大きいと見られる。
しかも、6月に金価格が急落の段階でも、純金積立は、安い価格で多く買えるゆえ、一定の購入量が見込まれる。
更に、今や、中国でも金ETFが主流商品になりつつある。
足元で国際金価格が4,000ドルを割れても、先述の如く、個人の金地金購入も、金ETF買いも顕在化しよう。
マクロ視点では、金市場の二極化現象が目立つ。
ウォーシュ新FRB議長の金融政策で米ドル金利が動いても、中国の金現物購入者は、気にしない。文化的金選好度が高いからだ。
対して、金ETF購入者は、中国でも急増しているが、このグループはウォーシュの言動に敏感に反応して、短期的売買に動く。6月に入り、中国でも金ETF残高の減少が見られる。
かくして、外電は、金ETFの動きが、「残高」として毎日発表されるので、報道しやすいが、金地金購入者の行動を把握することは難儀であろう。それゆえ記事になりにくい。中国金輸入量が発表されて初めて知るのであろう。
同じことは、インドにも言える。
金に対する課税が強化されても、インド人の文化的金選好度の高さは変わらない。たとえば、近々、娘を嫁入りさせる母が、フェイスブックに、「可愛い娘に持参金としてゴールドジュエリー一式を持たせたいが、金価格が上がってしまって、買ってあげられないかもしれない」という嘆きなどが見られる。このような金現物需要は根強く、いずれ、顕在化するは必至だ。
本欄も、欧米金融市場の出来事の金への影響を書くことが多いが、金価格の下げを歓迎する人たちのことも、ここに改めて、書き添えておく。彼らこそ、金価格の下値を支える人たちなのだ。
日本でも、ときあたかも、ドル円が162円台に突入した。筆者は、依然、165円を予測している。このような外為市場環境では、安値圏で金現物或いは現物の裏付けのある金ETFを購入する人たちが、いずれ増えてゆくと見ている。


