遂に3,000ドル台に突入。
昨日の金急落の原因は「ドル高」につきる。ドル金利は、概ね、反落したにもかかわらず、NY市場では「ドルが安全資産」「US Dollar is the king」 「有事のドル買い」など、もてはやされる。日本人としては、違和感を覚えるが、基軸通貨国の米国人ならではの認識だ。勿論、中期的なFRB利上げ傾斜がドル高を誘発していることは間違いない。
ドル・インデックスは100超え。
ドルの代替通貨とされる金は売られるわけだ。
加えて、半導体・AI銘柄・超大型IPOの値持ちが良く、ここで、短期下落基調の金は換金売りして、その資金を株に廻す現象が、益々、顕著だ。米国株が下がった日でも、「押し目買い」がはいる。そのマネーの源泉は金市場。
振り返れば、金4,000ドル以下に下がったとはいえ、依然、歴史的高値圏だ。2,000ドル、3,000ドルで金を仕込んだ投資家が世界中に多数存在する。ここは、金を利益確定売りして、株に乗り換えようという発想が出やすい市場環境である。
とはいえ、儲かりそうな投資対象を常に物色している投資家にしてみれば、いずれ、金投資の旨味が再現されれば、嬉々として、金市場に再参入するであろう。
かくして、各市場のモメンタムを追い、順張りで売買差益を追求する類の投資家は益々増加しつつあるのが実態だ。
金と株の間を頻繁に出たり入ったり。
各市場のボラティリティーは激しくなるばかりである。
今の金市場を理解するには、金独自の中銀買いなどの事象だけ追っていては、井の中の蛙になるだけ。
さて、今後の金価格の見通しだが、筆者は、ウォーシュ・サプライズ(FRBの利上げへの傾斜)の影響が、余りに早く、市場に織り込まれた感を抱いている。既に、年内2回利上げ説が主流になりつつある。しかし、多くの市場関係者は、本当に、FRB新議長が、トランプ大統領の意に反してまで、利上げを実行できるか、疑問も抱いている。
7-8月に、利上げ修正発言が飛び出しても全く不思議ではない。
そうなれば、現在進行中の金価格下落も、早晩、修正されるであろう。
年後半は、米国の金融政策と財政政策のポリシーミックスがどうなるか。
これが焦点となりそうだ。
金融政策は引き締めシフト、対して、財政政策は拡張シフト。
中間選挙が近づくにつれ、財政赤字が懸念・注目されよう。
いずれにせよ、秋から年末にかけて金価格が再上昇すると見る理由の一つである。


