足元の金価格はこの48時間4,300ドル台で膠着(赤線、緑線)。
青線が示す急騰時から、大きく動かない、というか動けず。
ショートカバーの買いが一巡後、新規買いが出ない。
200日移動平均線を下回る展開だ。
その背景を見るに、理由は三つ。
まず、イラン紛争が薄氷の合意。素直に受け取れない。最重要の核問題は、今後の交渉次第扱いで、「合意」といっても、時間稼ぎじゃないの。うっかり、合意即、新規金買いには動けない。
次に、明朝のFOMC。市場はFOMC参加者の金利予測分布を示すドット・チャートに注目するが、新FRB議長は、ドット・チャートを廃止したい意向。FRB側から、むやみに今後の金融政策について予測的な情報を出すと、市場が混乱するとの危惧。なお、「廃止」まで強行せず、新議長のドット抜き(自らの金利予測はしない)という異例のドットチャートになる可能性も。
更に、市場は年内「利上げ」1回を織り込みつつあり、それで金利がつかない金が売られたわけだが、ここにきて、「利下げ」観測が再び出始めた。まだ少数派だが、インフレ4%で、実質賃金がマイナスとなり、個人消費が痛むので、景気重視の「利下げ」すべし、とのリフレ派の見解だ。
新議長は、AIによる生産性向上の効果があり、利下げする余裕もある、と考えているとの解釈もあるのだ。
議論が、ややこしくなるが、AIに関する新規開発投資等の飛躍的増加が、そもそも、景気を支えるとの見解もある。FOMCで、どのような議論が交わされるかは、後日の議事録公開で明らかになる。
とにかく、米金利の動向は、国際金価格にとって、目下、最大の変動要因であることは間違いない。筆者が毎晩、NY筋と話しても、ドル10年金利とか2年金利の話題ばかりだ。
金市場内では、WGCの調査で、中央銀行金買い傾向が増加しているとのレポートもあるのだが、「そんなこと、わかっているぜ」と軽くスルーされている感じ。このあたりが、価格主導権を握るNY市場の発想と、金の需給を重視するロンドン派の発想の違いだね。
(筆者は基本的にロンドン(チューリッヒ)派出身なのだが、独立して、組織を離れ、自由に、且つ冷静に価格の動きを見ると、NY市場の影響が圧倒的に勝る現実を認めざるを得ない次第。)
その一環として、スペースX株の時価総額が増えると、市場がリスク・オンになり、リスク・オフで上がる金に売り圧力がかかるという事実も指摘される。
これも、金価格膠着の理由の一つに挙げられている。なにせ、IPO後、同株価前日比17%上昇して、時価総額が2兆9700億ドル(475兆円)という途方もない数字となった。専門用語を使えば、スペースX株が、民間の投資マネーをクラウド・アウト(crowd out)している。
以上が昨日今日の足元の状況。
とはいえ、金価格グラフを長期10年で見れば↓歴史的高値圏に留まることは明らか。
4,000ドルを新たな起点に、長期上昇トレンドに変わりはない。
最後に、ギョッとする写真。
札幌、狸小路にて、熊の剥製(?)。
いまや、洒落にならないね~


