国際金価格の動きを先週5月13日(青線)、14日(赤線)、15日(緑線)の変化で見ると下記のKITCO グラフの如く、13,14日に4,700ドルから4,600ドルへ、更に、15日には4,500ドルへ続落したことが分かる。
更に、下記のグラフでは、その後、直近のアジア時間で、瞬間的なフラッシュ・クラッシュの如く4,500ドルを割り込む場面もあった。
要因は、世界的金利上昇に尽きる。
ドル金利(米10年債利回り)は4.6%近傍まで急騰。
日本国債も10年もので、本日2.800%と、29年ぶりの高さまで上昇している。日本国債利回り変動は、米国債利回り変動を誘発するので、今回の金利上昇の火元は「ジャパン」との声がNYでは強い。(日本は米国債最大保有国で、米国から見れば、債権者なので、日本市場に注目せざるを得ないのだ)
いずれにせよ、根源的には、原油高→インフレ再燃を警戒する動き=国債売りだ。
更に、財政リスクを反映しやすい超長期債では日本国債20年もの利回りが30年ぶりの高水準をつけている。これもNY市場へ影響を与える。
金価格への影響は、インフレ警戒がFRB利上げ観測を誘発したことで、金利がつかない金には、売り材料となっている。その火元がジャパンとすれば、今回の金売りの火元もジャパンといえよう。
但し、財政赤字リスクとなると、「刷れる円・ドルと刷れない金」が意識され、金には一転買い材料となる。(悪い金利高、という表現も使われる)。
両者を天秤にかけ、とりあえず、FRBウォーシュ新議長が、今週からいよいよ仕事始めということもあり、FRB利上げ観測が重視され、金が売られている。
当面、この状況が続きそうだ。
但し、中長期視点にたてば、財政赤字リスクに、市場の懸念が移るのは必定。
国際金価格も、4,000ドル近傍まで下げリスクがあるが、中長期視点では、年後半に、新高値を更新することになろう。相当、荒っぽい相場つきになるは必定。筆者は、はやくもアドレナリン全開モード笑
なお、ドル円相場だが、予想通り、日本金融当局の介入は失敗したね。
本日は159円まで円安が進行する場面もあった。
米国の中央銀行FRBが、利上げに傾いているとされ、市場の「利上げ」確率が5割を超え、今や「利下げ」確率など問題外となった今、NY外為市場ではドル高が進行。対して、日本の中央銀行は、利上げが後手に廻っている。
この流れに逆らっての円買い・ドル売り加入は、当初から、筆者も「無理筋」と明言してきた。
昨年の円安は、投機筋の円キャリートレードが主体で、投機的円売りを抑え込めばよかったが、今年の円安は、市場のファンダメンタルズに根差す流れで、昨年より「筋が悪い」。単に投機を抑え込めば、流れが変わるという単純な現象ではない。
円建て金価格にとっては、筋の悪い円安の追い風で、上昇圧力がかかり続けるであろう。自国通貨安をヘッジする金買いの意義が強まることになる。


