日本株価が大変なことになっている。ここまでの急激な上昇を予測した株式専門家は、筆者の知る限り、いない。
その実態は、昨日本欄にも触れたように、AIそして半導体関連株。いっぽう、39銘柄は「値下がり」した。
AIは、インターネットと同じく、間違いなく、世界を変えるであろう。歴史的変化を前提に、AI関連銘柄に買いが集中する傾向は、既に米国でも「異次元の株価上昇」というかたちで顕在化している。
とはいえ、ここまでの株価暴騰となると、バブルの匂い濃厚。日経平均も、明らかに、「買われ過ぎ」のサインを出している。早晩、調整局面に入るであろう。
しかし、AIのテーマは、まさに「異次元の歴史的変化」であり、長期的株価上昇傾向は続くと思う。
但し、AI、即ち、人工頭脳は、怖い側面もある。
分かり易く言えば、AIに、善悪の判断、倫理、総じて、「魂」が、現状では欠けていることだ。
昨晩、米国の経済TVをみていたら、ポール・チューダー・ジョーンズという、カリスマ投資家が警告を発していた。
曰く、昨年、今年と、主たるAIの開発者や関連企業経営者たちが集まる会議に出席。そこで「10年後には、AIが人類の半分を滅ぼす」という、恐怖映画みたいなことを、果たして、信じるか、出席者全員に問うたという。
昨年はYESが10%。それが、今年は60%に急増したという。AIの開発者が、制作中の人工頭脳が独り歩きし始めると、手が付けられない事態を憂慮しているのだ。
AIに倫理観やsoul(心)を教え込むのは難事だ。現状では、人間が命令すれば、イランの最高指導者が何月何日何時に、どこにいるか特定して、暗殺をやってのける。
AIに例えば「核戦争は悪いことだ」という認識は、現状では、無い。ゴルゴ13も失業することであろう笑。まぁ、そんな冗談も言っている場合ではない。
人間が作ったAIが、自らを滅ぼす結果をもたらす可能性が、現状では、あるということだ。
もちろん、今後、AIの魂を入れる過程に入る、或いは、既に、入っている。
その過程は、紆余曲折もあろう。
魂を植え込んだはいいが、AIたちが、キリスト教に変わるAI教みたいな、巨大な新興宗教を作ると言う誤作動だって、無いとは断言できまい。
人間の手を離れて、AIが独立する日を、「怖い」と感じつつ、AIの開発者は、作業に追われ、その企業集団の株が集中的に買われ、資金的な余裕もできる。
ちなみに、現行の米国中心のAI関連企業の設備投資が、円換算で年80兆円!に達するといわれるが、その全額を、企業のキャッシュフローで賄えるという試算もある。AIブーム、恐るべし。
ちなみに、金トレーディングの世界にも、NYを中心に、確実にAIが進出している。AIが作ったトレーディング・プログラムで、金売買が行われている事例が急速に増えているのだ。株売買の世界も同様。
その結果、同じようなプログラムが使われると、買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶ結果になりがちだ。更に、NY市場のゴールド・トレーダーも、人事異動で、株や債券から移ってきた人たちが増えている。特に、金に関する知見が薄くても、AIをあやつれば、お役は務まるわけだ。
筆者の友人のトレーダーが「今や、人間様は、AIの売買の解説役、そして、システム・メインテナンス係みたいなものさ」と嘆いていたことを思い出す。トレーディング・ルームも、金価格大変動中なのに、罵声も聞かれず、シーンとしている。但し、相場モニターを見つめる人間様の目は血走っている。
話は日経平均に戻るが、昨日の尋常ではない株価暴騰の影に、AIの自律的作動も一役買っていることは、間違いあるまい。
テレビ報道で「本日は日経平均最高値。証券会社の顧客担当は電話での問い合わせで大忙し」と証券会社の現場の様子が映されるが、あれは、もはや過去の光景。そんな悠長なやりとりを交わしている間に、時代は急速に転換点を迎えつつある。
筆者の注目は、その過程で、「ゴールド」という貴金属が、どのように変遷するか、しないのか。いずれ、じっくり、書いてみるつもりだ。


