GW前の4月29日と昨日5月6日の国際金価格を比べてみた。いずれも緑線。
GW前はざっくり4,500-4,600ドルのレンジ。↑
GW後は4,650-4,700ドルのレンジ。↓
この差は、イラン情勢と原油価格に尽きる。
GW中に、ウオール・ストリート・ジャーナル紙が原油200ドル説を流すと、4,500ドル接近。
米国イラン歩み寄りの姿勢を見せると4,700ドル接近。
原油価格が上がれば、インフレ懸念強まり、ドル10年金利4.44%まで上昇。FRB「利上げ」観測浮上。
それが昨日は4.35%まで下落。「利下げ」観測復活。
要は、原油価格に振り回されているのが実態。投機筋が、原油価格次第で、短期金売買に従事しているということ。ゼロサムゲームで虚しいが、これが現実。
冷静に見れば、長期的上昇トレンドに変わりはない。
特に、1-3月期の中央銀行金購入が243トンと、年間1,000トンのペースに増えていることは重要だ。
とはいえ、日々売買が進行する国際金市場で、昨日も今日も明日も「中銀要因で買い」という進展にはならない。短期的思惑が働くからだ。
特に、イラン情勢を巡る思惑は、トランプやイランの一言で大きく変わる。
直近は、米イラン歩み寄りの姿勢が強調されているが、これとて、気まぐれトランプの一つの投稿で、決裂にもなりかねないリスクが潜む。
当面、薄氷のイラン・ホルムズ情勢が焦点になり続けよう。
長期コツコツ投資家は、中東専門家の意見を聞いて、フムフムと言っておればよいだけ。いちいちに反応するのはいつものことだが肉食系投資家ということ。
いっぽう、日経平均は上昇が目覚ましい。
中期的な視点では、イラン情勢の影響を受けにくいAI・ハイテク関連銘柄が買われ、内需関連銘柄は逆に値を下げる傾向が見られる。
中期的に値が上がる銘柄が約7割。下がる銘柄が約3割。
バブルの匂いも漂うので、株を買うが、ヘッジに金も買っておくという投資行動も見られる。株専門家が、たしか、ちょっと前まで、「金はもはや安全資産にあらず」と言っていたのが、ここのところ「金はやっぱり安全資産」と、ひらりと言い換える事例などを見せつけられると、要はポジション・トークなのだねぇ。
新聞報道も、上がっているときは、連日「高値更新」の見出しが相次ぐが、下がり始めると、シーンとしている印象。「今は下げだが、いずれ上昇」では見出しとして弱いのかね(笑)
それから、連休直前に始まった外為市場介入。
これは、X@jefftoshimaにも書いてきたが、アウェーのNY市場で、世界の投資家・投機家を相手に、市場の主流に逆らう介入は無理筋。160円台から始まり、157円で追加介入。155円台までの円高がやっと。ちょっと日本金融当局が介入の手を緩めれば、直ぐに、156円、157円と元に戻ってしまう成り行き。介入で、短期的売買は抑え込めても、長期の円安の流れを人為的に変えられるものではない。それでも、やらねばならないのが、敢えて同情的に見れば、日本金融当局の宿命か。永田町の政治的思惑が透ける。オリンピックではないが、介入に参加することに意義がある、とでもいえようか。「政府として、やるべきことは、やりました」と言えることが大事、と見た。
介入については、筆者も介入開始直後にメディアでコメントした。なぜか、肩書が「エコノミスト」に成り代わっているが(笑)
原油高でトリプル安 財務相「断固たる措置近づく」牽制後に円急伸 介入観測浮上(産経新聞) - Yahoo!ニュース
円安傾向は、円建て金価格には、上昇圧力となるので、重要である。


