週開け、いきなりWTI原油先物100ドル突破して株価が暴落を演じている最中に、金価格は5,000ドルに向け下落中(緑線、月曜朝執筆時点)。

「有事の金のドカ買いは悪魔の選択」

筆者が、ずっと言い続けてきたことだ。本欄にも書いてきた。
日経電子版週末の今週短期予測(写真添付)も控え目に出した。

有事勃発時は、プロの感覚で売りなのだ。
しかし、堅気の衆は、有事の金買いと煽られ、結局、高値掴みに泣く。もう何回繰り返されたことか。
リーマンショック時も、金は、まず売られ600ドル台まで暴落。その後、1,000ドルを突破した。

今回は、中東波乱勃発時に、金価格は既に史上最高値圏にあった。含み益はたっぷり。そこで、特に短期売買のヘッジファンドは株の損失を補填するため、金の換金売りに走った。金はATMと呼ばれる所以でもある。株の信用買いしてきたひとは、追加証拠金を捻出(キャッシュ)に迫られ、泣く泣く、金を売って支払う事例も少なくない。

まぁ、売られたといっても、金価格は5,000ドル前後。歴史的視点では、とんでもない高水準だ。

この換金売りが一巡すれば、そこから買い直されるは必至。
金の長期上昇を支えてきた3つの要因。
中銀の金買い、基軸通貨ドルへの信認の低下(単なる外為市場のドル安・ドル高とは異次元の歴史的トレンド)、そして、地政学的リスク。この基礎的条件(ファンダメンタルズ)にはいささかの変化もないからだ。投機筋の都合で暫時売られても、基本的上昇傾向は変わらないのだ。

短期的視点では、中東情勢が更に悪化して、株が底なし沼に陥ったときは、換金売りが続くであろう。それでも金の下値は4,800ドル程度か。筆者には「バーゲン価格」に映る。

そもそも、有事の金とは、平時から金を地味に買い増し、いざというときに売って凌ぐ、という発想だ。
それゆえに、金ETFを地味に買い増し、長期保有する投資行為こそ、有事に備えた金の買いといえる。

プロは、「噂で買って、ニュースで売る」もの。
Buy on rumors ,Sell on news. 筆者がスイス銀行のトレーダー時代から叩き込まれたことだが、未だに、生きている。