週末に一気に悪化したイラン情勢については、メディアで色々報道されている通りだ。
問題は、金価格への影響である。
絵に描いたような「有事の金」。地政学的要因は短命に終わることが多いが、今回ばかりは、長期化リスクもあり、例外となりそうだ。
まず、戦争の長期化、更に、湾岸諸国も巻き込まれ、戦線の拡大。
中東は、「国のメンツ」が重要視され、イランも、誰が最高指導者になろうと、このまま黙っているわけにはゆかない。トランプも国内不支持率急上昇で、焦っている。実に危うい経済政治環境だ。
結論からいえば、イラン発の地政学的リスクが、金の急騰を招くというより、価格レンジの下値を切り上げることになりそうだ。
具体的には5,000ドルが下値となりそう。
さすがに5,000ドル台ともなれば、実需は減少。新規の買いも、これまでのような熱気は感じられない。そこに降って湧いたようなイラン動乱。本稿執筆時点(月曜昼)には、5,300ドル台で推移している。5,500ドルが視野に入る。
但し、NY金市場には逆風も吹き始めている。
ホルムズ海峡発原油高以外にも、米インフレ再燃の可能性を重視して、FRB高官たちが、利下げに消極的になり始めたことだ。
雇用の問題も、AIが人間にとって代わり、失業や解雇増が懸念されるのだが、これは構造的問題で、FRBが利下げすれば好転する話ではない。
今週は、雇用統計など労働関連指標発表が相次ぐので、中東ばかりに目を奪われていると、思わぬところで、足をすくわれるリスクがある。とにかく、5,300ドルというのは、歴史的に信じられないほどの高値圏。(下記の1年金価格グラフ参照)。
個人投資家は、眼が慣れてしまって、もっと上がらないのが不満といわんばかりの姿が目立つ。
とにかく5,000ドル超えると、維持するだけでも、大変なことよ。隙あらば、売り倒したいという投機的ヘッジファンドがNY市場では、うようよ徘徊しているからね。謙虚になりましょう(笑)
過去一年の金価格グラフ↓


