グリーンランドでトランプが歩み寄り、再びTACOトレードとなり、金銀価格は若干下がったところで、猛烈な「押し目買い」の津波が市場を襲い、急反騰中だ。マグマの如く蓄積している潜在的買いエネルギーの強さを見せつけられた感がある。既に、金5,000ドル、銀100ドルが現実的に視野に入る。

思うに、今や、金を買うという投資行動は、トランプに対する不信任票と言えるのではないか。同氏の支持率は今や42%。不支持が54%。この焦りが強まると、相手を威嚇しても最後は妥協するTACOの回数が増える。
不支持率の推移と金価格上昇を比較すると、明らかに、不支持率が高まることに比例して金価格が上昇している。

NYの仲間たちに言わせれば、トランプ発言で下げても、そこから押し目買いを入れれば、より高い価格水準を達成できる、と言う。下がった分、助走距離が長くなり、より高いバーを飛べる、という相場の力学だ。
更にFOMOという現象が曲者だ。もともと、株の世界で、自分だけが置いていかれることを嫌い買いの軍団の仲間入りするという人間の横並び心理を意味する言葉である。FOMO=Fear Of Missing Out.

しかし、キョロキョロ他人の行動を見て買うということは、誰かが「売りだ!」と叫ぶと、狭い非常口に殺到する如きパニック売りのリスクも孕む。
危うい。
金5,000ドル、銀100ドルを超えれば、まさに、未体験ゾーンだ。
冷静に考えねばならぬ。

金は中央銀行の買いが、この超高値でも続くのか。ポーランドは700トンを目標に買い進むと明言している。とはいえ、外貨準備は通常ドル建てで表示され、保有金のトン数で表示されるわけではない。

中国・インドの民間現物需要は明らかに2割程度は減少していることはワールド・ゴールド・カウンシルでさえ認めている。この高値で、金宝飾品は買えず、銀・プラチナにシフトする傾向は否めない。
この実需の頭打ちは、地味なので、効果が顕在化するのに時間がかかる。
例えていえば、ボクシングのボディーブローの如く、ジワリ、ずっしり効くものだ。
当面はワンツーパンチの連打が効いて、価格は上がるであろうが、いい気になっていると、腹に食らったパンチの影響でダウンを喫することも珍しくない。

特に銀に関しては、高値圏でのリサイクル売りの影響が顕著に出る。
銀については投機の要素が強く、供給がバイプロ(副産物)ゆえ増えないということを金科玉条の如く買いの理由として囃している。では、供給不足で、銀100ドルが正当化されるのか?
需給均衡点を模索している段階といえる。これは、おそらく1年はかかるのではないか。
つまり投機買い主導で高値圏での乱高下が続く状況は年内続きそうということだ。

銀と金の決定的な違いは、超長期退蔵派の中央銀行の買いが銀にはないこと。ま、いずれにせよ、金5,000ドル、銀100ドルの目標達成後も、当面は上昇が継続しそう。その後は、トランプ次第。そのトランプ氏が何を語るか、正確に読める人は、世界広しといえど、一人もいないことだけは確かだ。
本人でさえ分かっていないのだから。