買いが買いを呼び、売りが売りを呼び、長期上昇傾向とはいえ、ボラティリティーが高い状況が展開されがちな地合いになっている。
その大きな価格変動には、表からは見えにくい裏事情が関係している。
人手不足だ。特に、優秀なディーラーやゴールド・アナリストが既に解雇されてしまった。
その矢先に金ブームとなったのだ。慌てて、俄かゴールド・ディーラーやゴールド・アナリストを株や債券部門から人事異動で間に合わせているが、なにせ未体験の世界。
頼るはAI。
AIのトレーディング・プログラムの指示で売り買い注文を出す。ところが、AIも金となると、まだ習熟度が低く、買いや売りの連鎖が生じがちなのだ。
そこで、筆者まで駆り出され、アドバイザー役を務めている次第。
筆者も自らの知的財産を安売りする気はないけどね(笑)
現場のディーラーたちは、「俺たちは所詮、コンピューターのシステム・メンテナンス役さ」と、いじけている。
では、なぜ、優秀な人材が不足になってしまったのか。
理由はドッドフランク法。
リーマンショックの苦い体験により、金融業務を規制するために作られた法律で、全文1800ページもある。そのなかで、原油と金については、銀行の自己勘定売買が厳しく制限されたのだ。
その結果、金部門に関しては、トレーディング部門が、縮小あるいは閉鎖され、多くのゴールド・ディーラーが解雇されたのだ。
ところが、運命とは皮肉なもので、ここにきて、ゴールド部門が、見直され、急遽、人員増加となった。とりあえずは、株債券外為部門からディーラーを配置換え。とはいえ、俄かディーラーたちは金の知見が薄い。ゴールド・アナリストも一夜漬けの猛勉強。
筆者も、まさか、こういう展開で、NY市場関連の仕事が急増するとは思わなかったね。
先日の亀池三者鼎談でも、君たちを高値で売れるよ(笑)、と語ったところだ。


