本欄でステーブルコインについて説明したが↓、金(ゴールド)を裏付けにしたステーブルコインという発想が出てきた。
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仮想通貨化された金。
ブロックチェーンという確かなテクノロジーを用いて、ネット上の「帳簿」に、金の売買記録を残すわけだ。裏付けが現物の金ゆえ、ハイブリッド型の金仮想通貨とでもいえようか。
このメリットは、ネット環境があれば、デパートやコンビニで、モノを買えるようになること。銀行送金せずとも、瞬時に、ネット上で、売買決済できるわけだ。
ワールド・ゴールド・カウンシルが試験的に試みるという。

発想は面白い。これまで、仮想通貨は価値の交換に有利だが、金(ゴールド)は価値の保存機能に優れるという「通貨」としての特徴があった。それが、金も仮想通貨化すれば、価値の交換機能も飛躍的に向上するわけだ。
もちろん、これから本格的研究が始まる段階で、何年かかるか分からないが、意外に早く現実化する可能性もある。
当然のことながら、金の現物にこだわる人たちも多い。
ハッキングされるリスクも懸念されよう。
筆者は、半ば野次馬気分で(笑)、面白い発想じゃないか、とりあえず、やってみたら、と思っている。

なお、金価格に関しては、新たな地政学的リスクと利下げの共振現象が起こりつつある。
イスラエルが介入役のカタールに居たハマス幹部を空襲。これは、ネタニヤフ首相の勇み足気味行動。
更に、ポーランド領空で、ロシアのドローンが撃墜。
これはプーチン大統領の勇み足気味。こういう事件が起きると、ポーランド中央銀行の金買いも加速するのでは?

とにかく、いずれも、かなりヤバイ。
金に新たな「有事の金」需要が生じている。但し、いつも筆者が言っているように「有事の金のドカ買いは悪魔の選択」だよ。個人投資家を煽る投機筋も少なくないのでご用心。