昨日発表されたNY連銀サーベイで、雇用の悪化が確認された。

まず、失職すると、次に新たな職にありつける確率が、44.9%。これは、前月比で5.8%減。更に、2013年以来、最悪の数字だ。
振り返れば、2021-22年には、労働者の楽観ムードが支配的で、毎月450万人が、気楽に離職していた。その数が、今や、320万人。
労働者は、いまの職に留まろうと必死だ。企業側は新規雇用を増やすことに消極的である。
かくして、景気のstagnation(鈍化)が確認された。
そして、問題は、inflation. これは、明日PPI,明後日CPIが発表され、インフレが依然年率3%前後で、粘着質であることが確認されそうだ。

そうなると、stagnation と inflation の同時進行、すなわち、stagflation となる。
この米経済の実態を織り込み、NY金、12月ものは、3,700ドルの大台に接近中だ。

FOMCの利下げも、年内、9月、11月、12月の3回連続利下げ、且つ、9月は、0.5%幅のジャンボ利下げの可能性も浮上している。
本欄で繰り返し述べてきたことが現実味を帯びてきた。
すなわち、スタグフレーションになれば、金の独り勝ち。
事実、そのような、金価格の上げっぷりだ。