
昨晩NY市場の午前中に、いきなり、NY金が跳ねた(銀もプラチナもパラジウムも一斉に追随した。4つの貴金属、そろい踏みである。
特に理由はない。
要は、メガ級の要因に対する金市場の反応が、第一波だけでは、不十分と考えられたのであろう。
そして、珍しく、銀もプラチナもパラジウムも後追いした。
だいぶ、格下げ相場らしい形になってきたね。
それから、昨晩はECB(欧州中央銀行)が、これは異例のことだが、金急騰に関するオフィシャルなレポートを作成・発行した。
基本的には、金にはリスク分散効果があることを認めたうえで、近年は、金オプションなどを使ったデリバティブ商品が急増。この仕組債が、何らかの理由で破綻すると、レバレッジのうえにレバレッジを重ねたような超ハイリスク・超ハイリターン商品ゆえ、マクロの金融システムを揺るがすような事態になりかねない、と警告している。
筆者は、そうはならないと思うね。
金市場の規模は相対的に小さく、他の市場を揺らすほどの流動性はない。
いすれにせよ、主要な中央銀行たるECBが、金について詳細なレポートを発表したことは、総じて、金にお墨付きを与えたに等しい。英語の勉強したい人は、ECBのホームページにゆけば、原文を見られるよ。
さて、今後の金価格だが、上放れが視野に入ってきた。
添付グラフを見ても、緑線が、「上抜けました」と語っている。
勿論、紆余曲折はあろうが、レンジが徐々に切りあがってゆく展開を予想する。
最後に、銀について、聞かれることが多いのだが、筆者はにべもなく「シルバーは投機。初心者には勧めない」と明言している。あまりに市場規模が小さく、産業用メタルとしての面が強いが、需給より投機主導の価格形成ゆえの脆弱性がある。中央銀行が外貨準備として銀を購入することも考えられないしね。金100トン相当を銀で買えば、とんでもない重量になり、運ぶことさえ想像を絶する。それでもシルバーファンは絶えず、シルバー愛には根強いものがある。