
雇用統計前の金市場は、下げも一服。
今回の急落で、投機筋のなかでは、大損した人たちもいる。
金4,000ドルなどという説に煽られ、3,500ドルから一気に4,000ドルに続騰すると信じたからだ。例えば、3,400ドルで買って、結局、3,250ドルで損切りしたというプロもNY市場では見られた。
米国債の乱に始まったトリプル安(米国債安、ドル安、NY株安)が、ようやく収まる兆しが見え始めたタイミングで、安全資産としての金が売られたわけだが、まだ、市場センチメントは、不透明感が強まる地合いだ。
損切りの売りが一巡すれば、新規買いマネーが再参入しよう。
下がりっぱなしということはない。
なお、ドル円が円安(145円)に振れている。
日銀の経済見通しが、より慎重になり、利上げの可能性が遠のいたから、円売りが強まったからだ。
しかし、世界的には、ドルに対する信認の低下は変わらない。
それでも筆者が10年後は200円と見る所以は、日本の公的債務が、もはや、制御不能のレベルに達しているからだ。とにかく、なにかあれば政治的配慮で「現金給付」などに走る。その結果、赤字国債は膨らみ、同時進行的に、日本の人口は減ってゆく。