話題のあのニュースの一報を聞いた時、あ、金塊に手をつけたな、とピンときた。
筆者は、あの銀行出身者ゆえ、貸金庫の実態が未だに変わっていないことにも驚いた。
更に、続報で、容疑者が「レバレッジ数千倍!まで利用できる海外のFX取引業者に口座を開いていた。億単位の現金が、瞬く間に消えていった。いつかは取り返せる」と信じ込んでいたようだという。

考えさせられるのは、投資関連情報の氾濫が、多くの個人投資家の心を怪しく揺らせていることだ。
今のようにトランプ相場で荒れているときもあれば、市場が特に材料もなく静かな「凪」の状況もあるが、紙面を埋めねばならず、放送時間には何かを語らねばならず、無理やり書いた或いは語った情報がいかに多いことか。

筆者は、独立系で自由な立場なので、大きな材料が出れば「速報版」をあさイチで書くが、特に書くことがなければ、2週間くらい、更新間隔があくことも珍しくない。
このようなメリハリが大事だと思う。
貸金庫窃盗は、そのメリハリなく、常に売買したがる投機家の事例といえる。

とにかく、金についても、静かな心で、地味に買い増してゆけばよいのだよ。余計な情報に惑わされるなかれ。

なお、昨晩はJOLTS雇用統計で、求人件数が800万人を割り込んだことで、やはり経済特に雇用救済的な利下げは必要か、と解釈され、ドル安(円高)に転じ、金には追い風となった。
ロコロンドンで2,860ドル接近。NY先物で2,890ドル接近。

この程度の値差なら、それほど騒ぐスプレッドでもなかろう。
なんでもかんでも、トランプ関税に結び付けたがる報道態勢に疑問符。
記事になる頃には、NY投機筋は、手仕舞いのタイミングを狙っている。

重要なことは、ロンドンでもNYでも、そして東京でも、金価格は上昇中ということだよ。