今日は、なんといっても、円安急速進行が、市場の話題。
２日のNY外為市場は、他通貨が大きく動かず、円独歩安だけが目立つ展開となった。

その理由が、石破首相の利上げ慎重発言と分かるや、殆どの外為トレーダーの初期反応は「イシバ、フー？」（石破って誰？）。彼らの多くが、円買いポジションを膨らませていたので、とりあえず、円売戻しに走る結果になった。

結果的には、NY時間中、一貫して円安・ドル高が続くことになり、慌てて、日本の政治情勢についての情報収集が始まっている。
別件でNY出張を予定している筆者のスケジュールにも、急遽「イシバノミックス」についての勉強会が、新たに組み込まれた。
そもそも市場環境としては、パウエルFRB議長が、「利下げは急がず。年内２回」と発言しているので、円買いポジションを持つ人たちの心理は揺れていた。そこに、石破発言が飛び込んだので、益々、心穏やかではないのであろう。

更に、中央銀行の独立性が、米国でも危惧されている状況で、日本では、米国以上に政府と日銀の関係が深く、実質的政治介入ともいえる発言が堂々と行われていることに、不安感を強めている。
トランプ氏の露骨な政治介入発言に神経質になっているだけに、日本での同様の事例が他人事とは思えないのだ。
NY市場の円担当トレーダーたちは、植田日銀総裁に加え、石破首相ならびに関連官庁の大臣発言をフォローすることになりそうだ。