連日、金1万円突破、連騰の話題が一般メディアにまで、載っているが、なにせ、金のことなどまるっきり知らない素人が書いた(或いは放送する)もので、私でさえ聞いたことがない業者が登場したりして、実に危うい。
一夜漬けの知識で金を語る著名エコノミストもいたりして、知見の薄いことが、専門家にはバレバレ。
その程度の人だったのかと、その人の、他の論文まで疑ってしまう。
ドル高で金高の時期もあれば、いずれ、ドル安で金安の時期もあるよ。
従来の古い市況の法則が、金市場に限らず、あちこちで崩れている今日この頃だ。
国際金価格の長期上昇トレンドがドル円相場でかく乱されることは、これからも起きる。
すべて、都合の良い話ばかりではない。
繰り返し言うが、一喜一憂せず、地味に買い増してゆくことが肝要。
せっかく史上最高値になったのだから、売って、旅行とか人生を楽しむのは大いに結構。
楽しんだ後で、また、買い増しを始めればよい。そのときは、グラム11,000円かもしれないし、9,000円かもしれない。


ちなみに、貴金属店の店頭をウォッチしていると、頻繁に聞かれる質問はキョロキョロ「今日は、売りの人が多い?買いの人が多い?」。
売るつもりで来たところ、買いの人が多いと、黙って帰る。
売る人が多ければ、即、売却。
日本人は、特に、右へならえ、の傾向が顕著だ。
金を買うときも、友人や同僚が買ったから、という理由が日本人には目立つ。
自分だけ出遅れるという可能性を最も恐れる。
そこで結果的に損しても、皆で桜と散る覚悟。


ちなみに、NISAの話だけど、添付のような「200万円が1億円」というフレーズも危ういよね。

 

NISA

そもそも、税金タダって、儲かった場合の話で、大損することだってあるわけで。
大損しても税金タダになるのは当たり前。
損して税金まで課せられたら、踏んだり蹴ったり。
受験勉強の影響か、諸々勉強すれば、儲かると思い込んでいる人や、専門家は儲ける術を知っている、という幻想に囚われている人も。
プロでも、自分の資産運用は、儲かるときもあれば、損することもある。
その厳しさを身をもってプロは知っているから、自分の資産運用は地味な人が多いよ。
お茶の間では、「あなた、プロなのに、やっていることは地味ね」などと家族から突っつかれたりして(笑)


筆者は世界中の投資家と話してきた経験があるけど、日本人はリスク耐性が弱い。
これは民族のDNA。
今日買った株が、翌日値下がりすると、目の前が真っ白になる人が多い。
ここに、貯蓄から投資へ、の政府スローガンへの無理がある。
まずは、学校の先生のレベルで、「おカネの話をすることは、卑しいことだ、危うい」との先入観を払拭することから始めるべき。