本欄4月25日付で「プラチナ急騰、警戒ゾーン入り」と書いた。
当時は、プラチナが1,150ドル近くまで上がっていた。
それが今や900ドルまで急落。
筆者は、そろそろ買いの値ごろ感を感じている。
そもそもプラチナ販売促進機関のWPICあたりが、供給不足とか騒ぎだすと、眉唾だ。
実態は、中国経済の悪化が、需要サイドの足かせになっている。
今日発表された中国6月製造業景況感も3か月連続で、好不況の節目である50を下回っている。
経済の波及効果が大きい不動産市場の低迷、さらに、ゼロコロナ政策終了後の経済回復をけん引してきたサービス業の持ち直しに一服感が出ている。
基本的にプラチナ市場は市場規模も小さく、投機要因が強く働く。
売りの要因が出れば下へ過剰反応するし、買いの要因が出れば、上へ過剰反応する。
(筆者も、そもそもは、スイス銀行時代に、ディーラーとしてプラチナ市場を得意としていた。スイス銀行を辞めるときに、記念品として銀行からプラチナ1オンスコインを貰ったほどだ。ディーラー冥利に尽きる贈り物であった。これだけは絶対売らないね笑)
そもそも本欄で繰り返し書いてきたように、筆者は根っからのプラチナ好きなので、900ドルを割れると、下への過剰反応と受け止め、買いたくなるのだ。
更に、円が145円まで来たが、今年の円安は昨年のような「それゆけ、どんどん」のモメンタムに相対的だが力強さに欠ける。
植田総裁の「政策修正」の一言で、一晩で円高に転じるリスクを孕むところが昨年と大きく異なるからだ。
国際通貨投機筋も、円安を深追いはしない姿勢だ。
さて、話はガラリと変わり、猿之助。ファンだった。まだファンだ。
こんなことで、稀有の才能が失われることを残念に思う。