注目の3月FOMC。
ほぼ予想通り0.25%利上げ。金融不安が未だ生々しいなかで、金融引き締め措置である「利上げ」を強行したわけだ。
インフレは慢性化のリスクがあるので、徹底的に金利で根絶やしにする戦略である。
対して、金融不安は、巨額の金融機関融資枠を設定することにより対応する。
金にとっては、利上げしても、しなくても、FOMC後は価格上昇のシナリオとされた。
利上げしなければ、金利を生まない金には追い風。
利上げ強行すれば、金融不安を悪化させるリスクがあるので、これも、金には追い風。
それゆえ、どっちに転んでもドル建て金価格は上げということで、NY市場では、「今、まともに買えるものは金しかない」とのコメントまで聞かれた。

 

kitco

そして、市場では早くも5月FOMCこそ利上げ見送りか、との先走り議論が始まった。
パウエルFRBは切羽詰まっている。
これまでの史上最速利上げの効果が、金融政策のラグで、未だ点検できていない。
それでも、パウエルFRB議長は、インフレが浸潤して新常態化するリスクを最も恐れ、今回も、金融不安という赤信号が点灯するなかで0.25%利上げに踏み切った。
暗闇の手探り状態と言われる。なお、ウォール街では、ダメ押し(insurance)利上げとも呼ばれる。
FOMC参加者の将来の金利予測を見ると、2023年末の政策金利水準は、22年12月時点では、5.625% 2人、5.375% 5人、5.125% 10人、4.875% 2人と、かなり収れんしていた。
今回も、5.875% 1人、5.625% 3人、5.375% 3人、 5.125% 10人、 4.875% 1人、と収れん傾向だが、やや高めに振れている。
なお、12月には副議長として参加していたブレイナード氏が、NEC(国家経済会議)委員としてホワイトハウスに転出したため、参加者総数が、19名から18名に減っている。
ハト派の主導格だっただけに、次期副議長職指名が注目されている。


総じて、昨年末から、参加者の入れ替えにより新顔も目立つ。
黒人女性初の起用で注目されたクックFRB理事。ジェファーソンFRB理事。グールズビー・シカゴ地区連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁、そして、バー副議長(銀行規制担当)の5人である。
米国のFEDウォッチャーたちも、この「フレッシュマン」たちが、ハト派なのかタカ派なのか、まだ読み切れていない。
パウエル議長は「ミスター・コンセンサス」と呼ばれるほど根回しの人だ。
議会公聴会でも、質問側の議員たちから「先日は、わざわざ、お越しになり、丁寧に説明していただき、ありがとうございました」との謝辞が目立った。
かと思えば、今回の記者会見では、SVB破綻をきっかけに銀行規制強化について問われると、それは、バー副議長が担当している、と「回答回避」の口実に使っていた感もあった。
このような内部環境で、市場では、早くも5月利上げについて議論が始まった。


金融不安が鎮静化すれば、「最後の利上げ」として、0.25%幅で実施されそうだ。
問題は、年後半。市場は、利下げに転じると見ている。
ターミナルレートを4%前半と予想しているので、年内に1%程度の利下げを見込む。
対して、FOMC側は、5月に0.25%で利上げ打ち止めとなれば、年後半は、政策金利を5%水準の高値で維持することになる。
「高く、長く」(higher,longer)の原則は生きている。
とはいえ、半年も、経済環境が、政策金利を動かさずに済むほど、静観を許すとも思えない。
パウエル氏も、物価の安定を重視すれば利上げ、市場の安定を重視すれば利下げ、という綱渡りを強いられよう。
このように考えてくると、3月FOMCは、2023年相場の未だ序章かもしれない。最後に勝つのは市場予測かFRB予測か。
昨年は3月にゼロ金利解除、QE停止が決まり、その後、歴史的利上げサイクルに突入した。
キャプテンパウエルの海図なき航海ナビゲーションは続く。


そして、今日の写真は、友人の誕生会@マガーリ。

 

お誕生日ケーキ

旬のホワイト・アスパラガス!美味い! もう、そんな季節かぁ。
フランクフルトのECB近くで食した、旬のホワイトアスパラガスを思い出す。
欧州のホワイトアスパラガス前線、北上中である。

 

ホワイトアスパラガス

それから、肉は低温で前日からじっくり低温でグリルしたもの。
脂が抜け上品な味。私好み。
相変わらず、シェフのたかさんの料理センスは抜群だ。
職人気質で無口だけどね、ナイスガイなんだよ。

 

低温でグリルした肉

最後に、YouTubeをしばらくサボっていた間に、私のなりすましが、怪しいメールを色々発信していたとの情報が、あちこちから来ている。
豊島逸夫の息子だとか。
私には息子がいません(笑)
ま、なりすましが出るくらいで、一人前かね~~。