国内金価格には、色々な種類があるが、現物店頭小売価格ベースでは、本日、最高値を更新した。
おそらく国内メディアではニュースになると思う。
昨年と異なり、NY金主導の高値更新だ。
昨年は、円安主導の新高値であった。
足元で金国際価格は1,940ドル台まで上昇。
(KITCOグラフ緑線)。
1,600ドル台の底値圏から、乱高下を繰り返しつつ、1,900ドル台まで下値を切り上げてきた。
力強い上昇パターンだ。
このNY金急騰は、金市場だけ見ていても分からない。
マクロの視点でマネーの流れを見れば、NY株は総悲観、ドル建て債券にマネーは流れやすい。
市場環境では、FRB利上げの材料が効いている。
利上げも最終段階に入り、あと2~3回、0.25%程度で打ち止めになるか。
打ち止め後、FRBは5%超の政策金利を年内維持と語っているが、市場は、そんな高金利水準を続けたら、米国経済は大不況の陥るから、結局、FRBは、年内に利下げへ転換せざるを得ないと先読みしている。
その結果、ドル金利頭打ち、外為市場ではドル安基調。
まさに金が上がる素地が醸成されている。
昨年はインフレヘッジの金がテーマであったが、今年は、米国経済の利上げ不況リスクが新たなテーマになっている。
需給では、中国などの公的金準備増強が効いている。
円は130円前後で膠着しているが、基本的に円安水準に留まるので、円建て金価格上昇を支えている。
筆者の年初予測1,800~2,100ドルは変わらない。
まずは、2,000ドルを目指す。
ここは、FRBの金融政策により、紆余曲折もあろう。
一筋縄で更なる高値更新とは行かない。
じっくりレンジの下値を切り上げる展開となろう。