プーチン大統領、そしてパウエルFRB議長の本音が読めず、まともなNYのファンドはひたすら現金保有を増やし、模様眺めに徹しているので、多くのトレーダーたちは、ただ座っているだけだ。
それゆえ、筆者が電話すると、待ってましたとばかりに、長話になる。
1時間程度の会話時間が普通になってきた。
話題も相場関連は語り尽くされたから、もっぱらプライべートの趣味の話とか、夏休みの計画などが多い。
その間、相場は荒れて、長話の最中にも、大きく乱高下しているのだが、もはや、気にもかけない。
小者たちが相場を荒らしているわい、という程度の反応で、スルーしているのだ。
たしかに、最近は、日中の価格変動は激しいのだが、1週間とか1か月で見ると、殆どレンジ内の動きで、基本的に上げの日と下げの日で相殺されている。
その実態を知らないアナリストたちが、なんとか理屈付けをしようと、試みているが、所詮、エクセルシートと睨めっこしても、マーケット最前線の動きは分からない。
その結果、現場感覚から遊離した「珍説」が横行している。
個人投資家は、そのような裏の事情など、知るべくもないから、その「珍説」をまともに受けて、騒いでいる。虚しい。
これで得するのは業者だけだ。
個人投資家の「ツワモノ」たちは、それでもめげず、自分だけ、相場の真理を発見しようと、あれこれ考える。
世界中で誰も読めないことを、自分は読み切り、自分だけが大儲けする、という夢に取り付かれている。
悪い事言わないから、休むも相場だよ、と諭しても、いや、自分だけ儲けるのだ、との決心は固い。
筆者は、それなら、どうぞ、気の済むまでおやりなさい、と言うだけだ。
こんな状況に出くわすことが、少なくない。
結果的に、大儲けする人もいるし、大損する人もいる。
所詮、丁半博打だ。
それゆえ、筆者は、個人投資家には地味だが、積み立てに徹しろ、と説いているわけだ。
いっぽうで、機関投資家とのミーティングが最近は激増している。
横並びの世界ゆえ、一社が検討を始めたとの情報を掴むや、先を越されては一大事ゆえ、他社も検討を始める。
金を買うべきか、否か。
機関投資家の数は多く、決して、セミナーなどに、のこのこ出てこないので、個別に会議室でのスモール・ミーティングが殆どだ。
これはこれで、回数が多く、筆者は連日、謀殺され、暇なNYの連中に、なぜJeff(私のニックネーム)は、そんなに忙しいの、と訝られている。
筆者は自分の貴重な体験を、後輩たちに伝えてゆく、という気持ちなのだが。
夏季は例年、札幌のサテライトオフィスに移るが、今や、ZOOMとか便利なシステムがあるので、いくらでも仕事が出来てしまう。
便利なようで、困ったものだ。
それでも、やっぱり、自分はマーケットが好きなのだ!
連続ドラマの続編みたさに、結局、連日、市場をフォローせずにはいられない(笑)
以上、近況報告。頑張ります!