国際金価格は1,860ドル台で高止まり(KITCOグラフ、緑線)。

 

 

kitco

国内円建て金価格は、円相場が再び114円台と円安進行なので、結果的に上げが加速している。
「ドル高ならNY金安」という市況の法則には反する値動き。
昨年も一定期間見られた。
ときどき生じる「相場のアヤ」で理論的根拠は無い。
逆にドル安円高でNY金安というダブルで下がる事例も時々起こる。
自国通貨安で国内金価格高ということは、日本の金価格が割高とも言える。
それから、NY金市場で、短期売買のヘッジファンド(コモディティ・トレーディング・アドバイザー=CTA)が、高速取引を駆使して、金市場にチョッカイ出し始めた。
このひとたちは、ファンダメンタルズなどには目もくれず、ひたすら、モメンタム(市場の勢い)が高いセクターを狙い撃ちしてくる。
通常はボラティリティ(価格変動性)が高いシルバーを狙ってくるのだが、今回は、金もかなりボラが高くなってきたので、参戦というわけだ。
クリスマス休暇までの期間には、最重要級イベントである12月FOMCもあり、金市場は荒れそう。
これまで膠着期間が長かったので、市場の底流としてマグマのごとく売買エネルギーが蓄積されてきた経緯もある。
年末までに1,800ドルでも1,900ドルでも不思議はない。


今晩は、NY連銀ウィリアムズ総裁がフォーラムに参加するので、注目。
CPI6%ショック後、初の要人発言。
しかも、彼はハト派。
インフレなんて一時的と言い切ってきた人物。
その人物が、インフレは一時的「かも」と、表現を和らげるだけで、市場は、すわ、利上げ前倒しか、とばかり色めき立つだろう。
ちなみに、NY連銀は、FOMCに参加の地区連銀のなかで、唯一、常任で投票権を持つので、その総裁の発言は重い。
他の地区連銀は、持ち回りでFOMC投票権を持つ。
なお、NY連銀の地下金庫には大量の公的保有金、即ち、様々な国の外貨準備としての金塊が保管されている。


米国短期金融市場でのオペレーション実行役もNY連銀と決まっている。
写真は、NY連銀前にて。江連裕子キャスターと。

 

NY1
NY2

 

一昔前の映画「ダイハードⅡ」では、盗賊が、NY地下鉄のトンネルからドリリングして、NY連銀地下金庫から金塊を盗み出すという場面があった。