中国に「買い負け」、カニの国内値段急騰

ズワイガニや銀ムツなど高級海産物が、中国の高値買い攻勢で、日本国内での値も、庶民の手が届かない水準まで急上昇しています。
中国側は高値で仕入れても、国内で売り捌けるからです。日本人にとっては高嶺の花。中国人なら支払える価格帯。
中国人の購買力と、円安のダブル効果が働いています。
更に、資源乱獲の影響も。私は銀ムツの西京漬けが好物なので、アラアラ、という感じです。
こういう事例は、海産物に限らず、これから増えそうですね。


価格といえば、今、市場で話題のインフレ問題。
米国の5月消費者物価上昇率は年率5%に達しました。
とはいえ、その内訳を精査すると、中古車価格急騰の影響が強く影響しています。
半導体不足で新車生産が減少。
いっぽう、個人は、コロナ感染を避けて公共交通機関よりマイカーでの出歩きを選好。

更に、レンタカー業者の中古車まとめ買いも注目されています。
通常、レンタカー業者は、新車をまとめ買いして、一年間レンタカーに使った後で、オークションで中古車市場に売却します。
ところが新車不足なので買いが中古車に向いているわけです。
更に、個人の側では、コロナ禍のレジャーとして、レンタカーを借りて気楽にドライブが人気なのです。
このような理由で消費者物価上昇率が上がっている、というのは異常な状況ですね。一過性だと思います。
経済が元に戻れば、価格上昇も鎮静化するでしょう。


なお、「ベース効果」というのですが、昨年同月が、コロナ真っただ中で買う需要も急減した時期なので、そこと比較すると、大きな上げ幅になります。
この「ベース効果」は7月には剥落するでしょう。
ですから、インフレトレードと称して、短期売買で「インフレヘッジ」と称し、金を買うという行動も一過性と思われます。
同じく「インフレヘッジ」とされたビットコイン価格にも大きな変調が生じています。
いっぽう、長期的なインフレ懸念で金を買う動きは逆に増えてゆくでしょう。
来年初めくらいから量的緩和縮小が始まりそうですが、増加幅を減らしたところで、8兆ドルに達する過剰流動性(余剰資金)は、「根雪」の如く、そう簡単には減りません。
経済成長が低水準で定着する傾向のなかで(コロナ後のV字回復も一時的)、カネの量だけ、ばら撒きっぱなしで放置されれば、モノの名目的値段は上がりますよね。
通貨の価値が減るとも言えます。これが長期的インフレ懸念。
なお、ドル金利が上がらないことも注目されます。
やはり経済が低インフレ体質化しているのです。
それでも、今回、コロナ対策でばら撒かれたおカネの量も未曽有の規模なので、さすがに、低インフレ体質も、徐々に変わってゆくと思います。
これは長期の話。いっぽう、「今年」に関して聞かれれば、インフレは一過性、と答えています。
コロナ自粛で我慢していた需要がワクチン接種で一気に噴出する、所謂、ペントアップ需要は、一過性でしょう。
既に、日本でも、7月の連休はGO TO並みの航空券予約が入っているとの記事も出ています。
やはり、経済回復は、まず外食産業。そして国内旅行となりそうです。