金1796ドルまで上昇後、反落

「金7年8か月ぶり高値、NY先物、経済不安で資金流入」
これ、今朝の日経朝刊商品面の見出し。
日経は、NY先物で最も商いが多い限月(今の場合は8月もの)を指標としている。その指標価格が、昨日日本時間夕方に1796ドルまで上昇した。私も相場モニター画面を見ていたが、1800ドル大台寸前で利益確定売りが出て、大台達成にはならなかった。いずれにせよ1800ドルは時間の問題であろう。
「金は足元で上げ足を速めており、さらなる高値更新も視野に入る」とは同記事中の筆者コメントだが、今の上げを主導しているのは、CTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)と呼ばれる超短期売買を繰り返すヘッジファンドだ。小刻みに売買注文を繰り出す。特に金について詳しいわけでもなく、知見を持たず、ひたすら値動きの良い商品に群がる。ここに、今の相場の脆弱性がある。ひとたび流れが変わると見るや、逃げ足は速い。1800ドルを越せば、ボラティリティー(価格変動)は激しくなろう。バブルの様相は強まる。
但し、金の上げ材料は日替わりメニューのごとく、次から次へと出てくる。息の長いバブル。米大統領選挙までは続くであろう。少なくとも。
昨日は、NY州クオモ知事が、第二波感染者急増中のフロリダ州などからの訪問者に、14日間、自己隔離待機を指示する動きとなった。そのフロリダ州は、やっとマスク着用を指示するという段階。ロックダウン再発動はトランプ政権が強く否定するところだが、「無い」と断定は出来かねる。
アップルが国内の感染者激増州の閉鎖対象店舗を拡大したことも話題に。
更に、IMFが発表した経済レポートのなかで、2021年第三波のケースも想定されていたので、マーケットも第三波のリスクシナリオを検討する状況になった。万が一、そうなると、金価格の騰勢は2021年まで続くことは必至だ。現時点で、メインシナリオではなく、あくまで、リスクシナリオだが、日本とて他人事ではない。もって銘すべし。
いっぽう、トランプ大統領も、コロナ対策で大失点。バイデン候補に支持率では大きく水をあけられ焦っている。そこで経済対策として、欧州への追加関税を検討中と外電が報道している。満身創痍で、もはや、なりふり構わず、という様子だ。中国叩きは、そもそも民主党のお家芸なので、標的を欧州にも向けた感がある。そうなると、火の粉は日本に及ぶ可能性も。おりから元側近ボルトン氏の暴露本で、日本との防衛交渉の過程が生々しく描かれている。そもそも日米通商協議も第一段階合意後、これから第二段階という状況だ。一昨日、トランプ政権ナヴァロ氏がFOXニュースに語ったことが日本人には響く。「中国がコロナの存在を知りつつ米中貿易協定第一段階に合意したことは、真珠湾攻撃数週間前に米国と平和条約締結に動いた日本政府の如し」

 

さーて、ジメジメ梅雨時は、鮨屋の貝類が旬で旨いね。(写真は誠鮨@お茶の水)。生が勿論良いが、軽く火を通すと甘みが増す。火を通し過ぎると固くなってしまう。ほどよい加減で焼くのが職人芸。こればかりはマニュアルでは教えることが出来ない。イタリア料理店でもシェフが休みで、セカンド・シェフが担当の日には、ソースの味は変わらなくても、熱の通し加減で、その差が歴然としてしまうものだ。

 

すしネタ(旬の貝類)