2020年、金1700ドル予測
私は6年前くらいから、東京オリンピック開催の2020年には国際金価格が1700ドル、円建て金価格が7000円超えを予測してきました。昔からの読者の方なら覚えていると思います。現状は1700ドルどころか1800ドルも突破しそうな情勢。国内金価格も中値ベースで6000円を突破してきました。さて7000円も突破するか否か。
現状では、ドル建て金価格が上昇して、ドル円は円安に振れているので、その可能性はあります。但し、私の6年前の見解ではドル円が120円と読んでいました。それが今は108円ですから、ここは予測より円高気味と言えるでしょう。なかなか全部当てるのは難しいですね。
なお、今、世界の外為市場ではドル安が進行しています。ドルインデックスは100の大台から97台まで下がっています。ドルが売られて買われている通貨はユーロや新興国通貨です。しかし、円は買われていません。それどころか円売りで108円台になっています。
ドル安なのに円安。ドルと円が同時に売られ、外為市場ではドルと円の弱さ比べのごとき状況になっています。ドルも円も「安全通貨」とされ、市場が不安になり株安傾向になると、ドルや円が買われがちになります。逆に、株高傾向で市場が所謂「リスクオン」になると、ドルや円は売られがちになるのです。
現在は、コロナや全米デモ略奪事件続発などで、本来なら株安、円高に振れてもおかしくないのですが、株高、円安になっています。
対コロナ対策で、未曽有の財政・金融緩和政策が展開されているので、マネーは潤沢で、そのおカネが株式市場にも流入しているわけです。FRBが「なんでもやる」姿勢で、米財務相も気前よく財政を支出するので、マーケットは安堵して株買いに走っているともいえます。
対して、金ですが、今や、独自の動きでジワリ上昇中です。ドルが高かろうが安かろうが、お構いなしで、金は買われているのです。
しかも、NY金(ドル建て)が上がるいっぽうで、円安なので、円建て金価格にはダブルで上昇圧力がかかっています。これは珍しい現象ですね。
いずれNY金安、円高で、ダブルで円建て金価格に下げ圧力がかかる局面も覚悟すべきでしょう。
そうそう金に都合の良いことばかり起こるわけではないと、ここは釘を刺しておきます。
なお、6年前の私の予測では、さすがに「コロナ」勃発など全く想定外でしたね。