金が下がってもワクチン開発成功を願う

金国際スポット価格が1760ドルを突破して、昨晩のNY市場で維持できるか注目された。
結果はあっけなかった。
NY市場オープン直前に米モデルナ社がワクチン開発、第一段階成功の報が飛び込み、株は急騰、金は直ちに1730ドル台まで急落した。
今の相場は株でもドルでも金でも、つまるところ「ワクチン次第」だ。ワクチンがあれば、経済再開も軌道に乗り、良い連鎖を生む。
その核心に触れる事例で、しかも、市場が全く想定していないタイミングだったので、反応も大きかった。
冷静に見れば、米バイオ医薬ベンチャー企業が、まだ第一段階の臨床試験で、実数8人について抗体獲得など成功事例を得た、という段階だ。今後、数千人規模での治験に移行して、効果を確認する。副作用の有無も重要だ。市場が前のめりではないか、との冷めた見方も少なくない。個人的には、金が下がっても、ワクチン開発が成功して、普段の生活に戻りたいという気持ちのほうが強いけどね。
その金価格だが、下がっても1730ドル台と、間違いなく価格水準は切り上がってきている。1750ドルで上値抵抗線が形成されそうだが、今後は、その上値試しの局面となりそうだ。実際、NY市場では、依然強気ムードが支配している。
昨日の1760ドル超えは、超短期のヘッジファンドCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)の仕掛けによるプロの空中戦であった。
今後は、一般投資家も参加するかたちで、あらたな価格レンジが形成されよう。
モデルナ社のワクチンへの期待が高くなった分、今後、不成功となると、逆に失望感による揺り戻しも激しくなろう。
治験薬、レムデシビルも、評価が分かれ、市場乱高下の要因となる局面があった。
ワクチン次第と言ってしまえば、身もふたもないのだが、実際、ワクチン次第である。
なお、昨日も、米中摩擦エスカレートが懸念された。
舞台はWHO。中国寄りとされるWHOに対して、トランプ大統領がどのような態度を見せるか。注目される。
更に、本日は、パウエルFRB議長とムニューシン財務長官の議会証言も予定されている。中央銀行と財務省が仲良くコラボで動けば、財務省が、いくらでも国債を増発して、中央銀行が引き受けることで、マネー供給を増やすことが出来る。その意味で、注目される二人が何を語るか。市場は発言の「行間を読む」構えだ。
 
さて、東京はなにやら梅雨の走りのような天気。
この自粛生活が梅雨に入ると、ジメジメ、ムシムシの気候となり、イヤだね。
年内は、もう海外出張も無いと判断して、自分なりの新たな生活様式を考えているところ。虎屋の季節の和菓子や、千疋屋のパフェ、そして、マガーリのイタリアン、京都のらく山の京都料理。全てお預け状態でストレスが溜まっている(笑)
朝の散歩が日課となり、実に健康的生活だが、アドレナリンがいまいち湧いてこないね。人生振り返ると、こんなにおとなしい日々を送るのは初めて。我が家の猫だけは、飼い主在宅が多いので、遊び相手がいて、大喜び風だ。