フランスでは、母の年金申請にあたり、育てた子供一人につき、最大2年間の保険加入期間加算があるそうです。更に、子供3人以上だと10%の年金額加算も。
豊島逸夫事務所副代表の治部れんげは、働くママさんのオピニオンリーダーですが(www.toshimajibu.org)、日本も本気で人口増やすなら、これぐらいのことはやってほしい、と言っていました。
別の例ですが、筆者の友人で、フランスの現地法人に3年勤めたのですが、フランス政府から年金が月8万円相当送金されてくるそうです。
さて、問題は、こういう高福祉を誰が払うのか、ということ。
フランスの若年失業率は20%以上。
難民移民問題もかかえ財政状況も悪い。
高福祉に慣れたフランス国民は、当然、既得権を強く主張するでしょう。満たさなければストライキというのがフランスの通例です。
この問題は、どこかの時点で臨界点に達するでしょうね。
フランスの10年後はかなり厳しいと思います。
このフランスの事例は、今の欧州がかかえる諸問題の一つに過ぎません。国により様々な問題をかかえているのです。そこにEU本部が介入するので、事は更に複雑化します。とにかく目先の減税とか年金制度維持を掲げるポピュリズムが勢力を拡大する結果にもなります。
日本だって、他人事ではありません。
先日、あるパネルディスカッションで、日本の年金は大丈夫か、という話題になったとき、私は冷ややかに「もうパンクしてますよ」と言い放ったのですが、そこで、ある女性FPの方が声を張り上げ「年金は出ます!出ますよ!」と声高に返してきました。
よく考えたら、この方は、年金でどのような老後の生活設計が出来るかを説く人でした。そこに、私は、年金は出ないよ、と言ったわけですから、そんなこと言われたら困るでしょうね。
さて、今日の写真は、あるテレビ番組のポスター。このイラスト、私だって。背景にメルケル首相とマクロン大統領らしき人物が。似てますかね(笑)