まず、ファーウエイ問題の続き。

日本でもNHKのトップニュース扱いになって注目されるに至った。

テレビ画面でおなじみになった、同社創業者娘CFO(46歳)の保釈条件が興味深い。

追跡装置って、足首に足枷みたいなアンクレット。24時間3名の監視役。夜11時から朝6時まで外出禁止。保釈金が12億円ほど。

そのうち、3億円ほどを、「保証人」が用立てている。そのメンツが出入りと思われる不動産屋さん、保険屋さん、家政婦さん、ヨガ教師。旦那さんは、短期ビザなので保証人になれず。

そして、米国への引き渡しの裁判だが、カナダでは、この種の裁判は10年単位で長期化が普通とのこと。仮に、米国に引き渡され、有罪確定となれば、最低でも30年服役をくらう。だから司法取引に応じるのだろうね。

なんか、この一連の物語、生い立ちとか人民解放軍との関係とか、パスポート7つ保有とか、映画化されたら、ヒットするよ()

 

さて、今日の本文。お題は「泰山鳴動して鼠一匹、AI主導の市場」

利上げ、ブレクジット、米中通商交渉。

昨晩は、市場の三大テーマそろい踏みの展開となった。

口火を切ったのは、米国時間早朝発表された米消費者物価上昇率。低めに出れば、利上げ期待後退が予想されたが、結果は、コアで前月比0.2%上昇と事前予測通り。利上げ見通しを変えるほどの数字ではなかった。ノイズだけが目立つ。トランプ大統領は「来週の利上げなど馬鹿げている」と執拗にパウエルFRBをけん制。新債券王と呼ばれるカリスマ投資家グンドラック氏は「利上げに動くFRBは「suicide mission=特攻隊」と語った。市場では、来週FOMCの利上げはほぼ織り込み済みだが、注目はパウエル議長記者会見だ。10月に中立金利から遠いとタカ派的に発言したが、その後、「中立金利に近い」とハト派的に語り市場混乱を招いただけに、記者会見でパウエル議長が踏み絵を踏まされる展開が想定できる。ここを見極めねば市場はうっかり動けない。

 

次に、ブレクジット。200対117で保守党内ではメイ首相がかろうじて信任を得た。とはいえ、党内造反者117名を抱えたままで、次は労働党を含めた議会全体の信任を取り付けねばならない。昨日のポンド相場は、絵に描いたような投機筋の「噂で買ってニュースで売る」展開。事前の票読みでメイ首相信任を先取りするポンド買いに走り、いざニュースで現実となれば、ポジション巻き戻しでポンドが売られた。明日はどうなるか、視界完全不良ゆえ、日計りトレードがポンド市場を支配する。

 

そして、米中通商交渉。

NY市場オープン直前に、ウオールストリートジャーナル紙が、中国「製造2025」修正報道。観測記事で実現性には慎重な見方も両論併記しているのだが、市場はとりあえず楽観的に解釈してダウ平均は450ドル超まで急騰。とはいえ、中国がこの国家プロジェクトの根幹を変えるとも思えず。国内製造率2020年40%、2025年75%という数値目標を多少いじる程度か。市場内では冷めた見方も根強く、結局ダウ平均は終わってみれば158ドル高まで上げ幅を縮小した。泰山鳴動して、この程度か、との感触である。

なお、ファーウエイ問題で市場の注目は、カナダで逮捕されたファーウエイCFOの引き渡しに関してのトランプ大統領ツイート「必要とあれば私が介入する」。通商交渉で中国側が相当の譲歩すれば、イラン経済制裁違反も敢えて今回は不問に付す、との「取引」を示唆していると市場は読む。いっぽう、中国側はファーウエイ問題と通商問題を切り離す姿勢も見せているが、その本音も測りかねる。楽観論・懐疑論に割れ、マーケットには引き続き変動要因として残る。

 

かくして、フィールドではAIが次々流れる報道の見出しに機械的に反応して売買注文を発動。観客席では人間が野次馬か解説役に回る。フィールドに人影が薄い状況は続く。

金価格は添付グラフどおり、1240ドル台で行ったり来たり。値固め。

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最後に写真は、季節のミカンのパテ。シンプルで旨かった。

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