(2019年の上場商品の騰落率)
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(2019年の上場商品の騰落率)

 

 

 

2019年は株とコモディティが両方同時に上昇するという特異なマーケットであった一年と言えます。
年初から年末までの株や通貨、そしてコモディティといった上場金融商品のパフォーマンスを見てみると、株式市場と商品の突出が目立ちます。
クリスマス時点での騰落率をみると最も上昇したのがパラジウムの54%、第2位がナスダックの38%、第3位がWTI原油で35%。ガソリン、S&P500、DAX、ブレント原油、NYダウそして灯油などが軒並み20%以上。
日経225、プラチナ、ゴールド、シルバーも15%以上の上昇を記録した。
それに対して、ほとんど動かなかったのが先進国通貨。かろうじて1%台がカナダドル、英国ポンド、米ドル。スイスフランと日本円は1%に満たない上昇率でほとんど動かず。
ニュージーランドドル、豪ドル、そしてユーロはわずかながらも下落しています。
最も下がったのがVIX、いわゆる「恐怖指数」と呼ばれる株式市場の変動率指数です。
これは年初からほぼ40%下落しています。昨年の年末で株価が急落し、VIXは急騰したことを考えるとこの数字は仕方のないものなのでしょう。
各国政府の金融緩和、低金利政策から世界の主要通貨から金利が消え、本来金利差が通貨の動く要因の一つだと考えると通貨が動かなくなったことも当然かもしれません。
そしてこの「金融緩和・低金利政策」からあふれ出た資金が株式および商品といった投資対象へ向かっている結果がこの数字に出たと言えるでしょう。
パラジウムは純粋に需給がその高騰の背景にあり、ひとつ突出した高騰となったのは例外的ですが、その他のコモディティと株式市場の上昇はその根底にあるのは行き場を探し世界を彷徨う投資資金であるのでしょう。
極論すれば、それが本来であれば株式市場に流れるところが、2019年は原油、貴金属と言ったコモディティにも廻ってきており、結果として希有とも言える株と商品の同時高を生み出したのだと言えます。
だとすれば、この世界的な金融緩和政策がいつまで続くのか、がこの株価・商品のダブル高マーケットの継続の鍵を握ると言えます。
そして2020年も世界景気に行方が不透明な状況は変わらず、景気下支えとしての緩和政策は変わらないという見方が大勢であり、おそらくこの状況はまだしばらく続くと思われます。
しかし長年続く政策的低金利による景気浮揚は限界に近づきつつあり、世界の債務膨張などの副作用が、どこかの時点でこのマーケットの流れに急変をもたらす可能性が日々高まっています。
それが2020年になっても何ら不思議ではないところまで来ていると思います。
そうなればおそらく株価は急落。そしてゴールドは急騰ということになるでしょう。
備えあれば憂い無し。まさに保険としてのゴールドが必要な状況だと言えます。


以上