今日は珍しいセミナーをやってきましたよ。相手は、就活中の学生。新聞社希望で、私の話を聞いて、模擬的に記事を作成して紙面を作る、という企画です。
でも、金といっても、ピンと来ないのは、当たり前ですよね。丁寧に説明しました。どの程度分かってもらえたか。それでも、金は実物資産だから、画像にもなるし、人間臭い素材でもあるので、ストーリーとしては面白い記事が書けるかな。
講師としては、世界各地の金市場最前線の写真をふんだんに見せて、感覚的に理解してもらおう、という作戦で臨みました。インド、中国、中東の現物市場。NYの先物市場。全く異なる二つの市場が併存する実態を分かってほしいのです。現物市場の実需が「根雪」。先物市場の買いは、表層雪崩を起こしやすい「ドカ雪新雪」。
金価格グラフも短期ではなく、1975年からの長期グラフを使用。リーマンショックを境に、それまで300-500ドル程度のレンジだったNY金価格が、1000ドル以上に水準を切り上げた過程が明確に把握できます。1900ドルまで急騰した「バブル」の姿も如実に浮かびあがります。説明しながら、改めて、思いました。結局、今は1200ドル前後で、ポスト・リーマンの需給均衡価格水準を市場は模索していると。それでも、リーマン前の3倍にはなります。
次の10年に、金価格はどうなるか。
私は中国が鍵になると思います。
思いっきり膨らんだ債務の山。その後始末で、上海株・人民元が暴落して、世界の市場が混乱するとき、マネーが金市場に乱入するシナリオです。中国の人民も、人民元を「通貨の世界の新参者」扱いですからね。中国人の金好きは民族のDNA.理屈抜きといえます。中国・インド・中東の金選好度の高さは、理論で説明はできません。現地で体感すると納得するものなのです。