本日は、パウエル新FRB議長デビュー講演の日。
多分、初回は慎重に言葉を選び、言質はとらせないと思うが。
とりあえず、お手並み拝見。
それより、講演の後に、ブルッキングス研究所主催のバーナンキ・イエレン対談が開催される。
題して「FEDのデュエット」。こちらのほうが面白そうだ。
今や、同研究所の同僚である前・元FRB議長が、パウエル講演を受けて、どのように語るか。
市場も興味津々である。
自由の身になったイエレン氏を、バーナンキ氏が「インタビュー」するという構成だ。
「イエレン氏のキャリア、FRB時代のこと、経済の現状についての見解、今後経済を待ち受ける挑戦」について議論が交わされると「鳴物入り」である。
実は、この2人は2016年4月7日に檀上で語り合っている。
ボルカー、グリーンスパン、バーナンキ、イエレンというそうそうたる米連邦準備理事会(FRB)の元職、前職、現職の議長たちが、シカゴでのフォーラムで一堂に会したのだ。
その時、このようなやりとりがあった。
イエレン氏「バーナンキさん、バランスシート縮小という仕事をやり残しましたよね(笑)」
バーナンキ氏「あなたが引き継いでくれて助かりました(笑)」
冗談めかして笑顔で語ったが本音であろう。
「バーナンキ前議長はばらまくだけばらまき、自分はその後始末」との思いが滲む。
イエレン氏は今や「パウエルさん、金融正常化の道筋はつけましたから、あとはよろしく」との立場であろう。
バーナンキ・イエレン路線を完結させるという仕事は、最も難しい。
「損な役回り」というのがパウエル氏の本音かもしれない。
任命したトランプ大統領の目も光っている。そんなパウエル氏の思いを代弁するのか。
激励するのか。忠告するのか。注文つけるのか。
FRB要人発言の行間を読んで反応する市場としては、見逃せないイベントである。
なお、今日の朝日新聞に「ビットコインと金」と題して寄稿した↓
http://www.asahi.com/and_M/articles/SDI2018022134921.html