昨日は、石川県加賀市の漆器組合で講演してきました。そこのトップの方が、このブログの熱烈ファンで、私も意気に感じてお受けした次第。聴衆は、漆器の職人さんたちが中心。なかには「人間国宝」もおられる。いつもの、生臭い話では場違いか、何を話したらよいものか、迷いましたよ(笑)。漆と金、というような演題は、さすがの私も初めてだし。
漆器、蒔絵の現場視察もしました。深いですね。伝統の重み、美しさに感動しました。金も使われているのですが、単なる金箔と比べて全く異次元の世界です。色々な職人の技術で、様々な金含有素材が開発され使われています。こればかりは現場に行って自分の目で見ないことにはわからないことだと改めて思いました。
そもそも、この地域は古九谷発祥の地でもあります。
しかし、伝統文化の継承は難しい。まずは後継の人材育成でしょう。そのために2年コースとか4年コースで人材育成のプログラムや教育訓練施設のインフラが整備されています。訓練職人の皆さんは、使用する工具から自分で作ります。本当のプロですね。とはいえ、そこで育成された人材が実際に「食ってゆく」ためには継続的な発注が必要です。理想と現実のギャップも痛感しました。
添付した写真は、「骨壺」です。このような美しい器なら、お骨をお茶の間に置いておける、という発想です。普通に見たら、まさかその中にお骨が収まっているなど、まず想像もしませんよ。これ、売れ筋だそうです。
今回は駆け足で全工程を見ましたが、別途、プライベートでじっくり来てみたい場所になりました。近くに温泉も、ゴルフもスキーもあるし(笑)。カルチャー&スポーツの旅!