25日のNY金市場で、国際金価格は1300ドルを突破しました。
キッカケはウオールストリートジャーナルに掲載された観測記事。
量的緩和で国債を買いまくり膨れ上がったFRBのバランスシート(4.5兆ドル)を徐々に減らしてゆく、いわゆる、FRB資産圧縮プログラムについての記事です。
わかりやすくいえば、量的緩和でばらまいた巨額のマネーを回収する作戦です。
これは、金融引き締め政策となります。量的引き締めと言われます。
過剰流動性依存症になってしまった市場には歓迎されない政策です。
既に、パウエルFRB議長が、昨年10月に、このFRB資産圧縮プログラムは予定通り実行すると語って、株急落を招いたこともありました。その後、パウエル議長は、この発言を修正しています。
しかし、FRBにとっても未体験の政策ゆえ、持て余していることは事実です。
前置きの説明が長くなりましたが、25日に流れた記事は、FRBが、この政策を棚上げにする、と書いています。
マーケットには目の上のたんこぶが取れたごとき効果がありました。
あくまで「観測」ですが、市場は見出しに反応したのです。
金が1300ドル突破したのは、この記事でドル安になったから。
FRBの引き締め政策の撤回は緩和政策になりますから、ドル金利下落が連想され、ドルは売られたのです。
今週はFOMCが開催されます。この議題は、FOMC内でも議論されるは必至です。
総じて、タカ派(引き締め派)だったパウエル議長がハト派的(緩和派)なトーンに転じているので、金はここまで買われてきたといえるでしょう。
今後もこの問題は紆余曲折あるでしょう。
とはいえ、NY金が1300ドルを突破した意味は大きいといえます。