2月17日日経マーケット面「ポジション」で、首題の見出し記事が載っています。小見出しは「財政不安でドルに先安観、インフレ懸念も影響」。
今の金市場の勘所ですね。
トランプ大統領の中間選挙を意識した大盤振る舞いに、金市場は「えらく景気いい話をぶち上げているけど、その財源は?」と冷ややか。トランプ氏は景気良くなれば税収も増えるから問題ない、と伝統的共和党のサプライサイダー的発言。金市場は、結局、国債増発で、基軸通貨ドルへの信認が薄れるのでは、と懐疑的。金は発行体がない無国籍通貨ゆえ、国の信用が揺らぐソブリンリスクが無い、というところがポイント。ドル安というよりドル不安だね。
そして、インフレ懸念については「低金利に慣れた投資家にとって、歴史的に見ればまだ低水準でもインフレ懸念の反応は大きくなりやすい」という私のコメント。久しくインフレ懸念など無いデフレの時代が長かったから、「インフレリスク」も死語同然だけどね。市場最前線の若手トレーダーたちは、インフレなど知らない。インフレという言葉に対する反応は、世代により全く異なる。バブル世代は既視感あるけどね。
私の相場観は、ドル建て金価格、引き続き1-3月が今年の高値、で変わりません。長期円安派ゆえ、円建て金価格は強気だけどね。