先週、鎮静化しつつあった米中貿易摩擦懸念が金曜日のNY市場で再燃。
NYダウは500ポイント超も急落。
日本時間午前3時台には750ポイントに下げ幅を拡大する局面もあった。
直接のキッカケはトランプ大統領が対中貿易赤字削減目標を更に10兆円ほど上積みしたこと。
これは想定外だった。
市場の動揺を冴抑えるために、ムニューシン財務長官がテレビ生出演して「貿易戦争」に否定的な発言をしたが、最後に「貿易戦争の確率もある」と述べたことだけが切り取られ、火消し発言が火に油を注ぐ結果になってしまった。
冷静に考えれば、貿易戦争に勝者は無く、米中共倒れリスクもあるから、両サイドにまともに喧嘩する気はない、と思われる。
しかし、貿易戦争の確率がゼロかかと問われれば、全く無いとはいえない。
神経質な市場は、そちらに反応してしまう。
これを受け、NY金は添付グラフの赤線が先週金曜日で、1,322ドルから1,335ドルまで急騰している。
円相場は再び107円台前半から106円台後半にまで円高に振れたが一時のような円急騰にはならない。市場の円高ムードは一服か。
株式市場では、短期投機筋の売り攻勢というより、買い注文は極端に減った感じだ。
海千山千のヘッジファンドも当面はキャッシュ・ポジションを増やして様子見の姿勢である。
それほどに、連日、NY株のボラティリティが激しいということ。異常だ。