今日の話は、ちょっとビックリする事なのだけれど、ある程度、専門知識がないと、分かりにくい。そのつもりで、あまり細部にこだわらず読んでみて。

すっ飛ばしても結構(笑)

以下本文

 

 

今回の相場大変動の「主犯のひとり」扱いされているVIXに連動するETNについて、驚くべきリスク開示が、目論見書(プロスぺクタス)に書かれていた。

組成・発行したスイス大手銀行が作成したプロスぺクタスの197ページに「このETNの長期期待価値はゼロである。もし、このETNを長期に保有すれば、投資額の全て、或いはかなりの部分を失う可能性がある。」とのくだりがあるのだ。

 

このリスク開示文言を果たして購入者が読んでいたか。

商品マーケティングのプロセスでこのリスクが説明されていたのか。

市場の一部からは疑問視する声もあがっている。

米国CNBCも報道したので、銀行側スポークスマンは「プロスぺクタスで、本商品は短期投資向けに組成されたことが明確に語られ、プロの投資家のみに販売された。本商品はバイ・アンド・ホールド長期保有のための債券ではないことが明示されており、日計りに使われることを前提として組成された。」と反論している。

更に、「規制当局は、プロスぺクタスのこのような文言を何故認めたのか」との批判もあがっている。

いっぽう、プロの投資家であれば、このようなデリバティブのリスクは当然承知しているはず」との意見も根強い。

 

そもそも、このETNの価値がなぜ長期的にゼロになるのか。

それは、信託報酬に相当する額の分だけ、ETNの基準価値が徐々に減ってゆく仕組みになっているからだ。

 

「VIXが過去最低水準」などと連日のように報道された頃には、このようなリスクが問題視されることはなかった。

VIXをショートする、即ち、市場の低ボラティリティーに賭ける投資も、人気が急上昇した。

ヘッジファンドなども殺到して、「今や、市場で最も混みあう商品」と言われた。

しかし、その前提が数日で覆されるや、この当該商品から発生した損失は元本の8割から9割に達した。

「過度の楽観論」「プロの慢心」のツケと言われても仕方あるまい。

 

このような商品の上場を認めた取引所の姿勢にも批判の対象になる。

 

カリスマ投資家や大手ETF取扱い業者も巻き込み、市場内では論戦がヒートアップしている。

「最も混みあうトレード」とされるほどに取引が拡大していたので、今後、新たな事例が明らかになる可能性もある。

当局の規制強化も視野に入る展開になってきた。

 

さて、金価格のほうは、やはり下放れ。1,310ドル台。

1,300ドル台割りこんだら、私も徐々に強気になってゆくと思う。

1,250ドルになれば、もっと強気になる。

1,200ドルになったら、ガンガンの強気になる(笑)