ウォラーFRB理事といえば、19名のFOMCメンバーのなかでも、優秀なエコノミストとして知られ、これまでも、同氏発言で、株、ドル、金が動く局面が、少なくなかった。
今回は、現時点で最も話題になっている「利上げ」について、未だ、機は熟していないと発言。
ウォーシュ議長のタカ派的発言に一石を投じる結果になり、9月利上げ確率も、減少。
といっても、利上げ有りと無しの確率がほぼ5分5分になったという程度だけどね。
なお、直近では、ウィリアムズNY連銀総裁も、利上げに慎重な含みを持たせる発言で注目された経緯もある。
ウォーシュ議長は、この内部に意見不一致をfamily fight家族喧嘩、と表現しているが、割れる見解を調整するのは容易ではなかろう。
そして世界的長期金利上昇傾向。
これは、金利上昇と言う意味では、金利がつかない金には逆風だが、その理由が、長期国債売りに晒される、という実態は、財政不安ということなので、天秤にかけ、金価格上昇要因とされている。
ちなみに、円155円に急騰も、結果的にNY市場では、「ドル安」ということで、金買いの理由にされている。
(なお最近は、日本株、円、日本国債と、ジャパンがNY市場内で、強く意識されている。これまで軽くスルーされ、高市首相の名前が会話に出ることは稀であったことを思えば、大きな変化である。但し、リスクという意味で意識されているので、素直に歓迎できる話ではない)
その円急騰だが、ベッセント米財務長官が日本の財務省に強硬な口調で、「円安放置を懸念」と語った、という外圧が効いている。日銀もいよいよ利上げを決断するとの読みで、円が買われた。
とはいえ、円安のファンダメンタルズを容易に変えることは出来ず、方向性としては、160円方向に逆戻りと筆者は見る。日本が海外から見て、投資したいと思う国になることが必須条件だが、日本企業の問題は、米国の巨大ハイテク企業のような、株式市場を引っ張る力に欠けること。様々な企業が分散しており、「世界に通じる引力」に欠ける。
さて、話を金に戻して、もう一つ、直近で話題になり、NYタイムズでも大ぶりの記事で書かれた事象。
それが、主要国公的保有金の米国離れ問題。直近ではオランダ中銀が、90トンの公的保有金を、NY連銀の金庫からロンドンの金庫へ、本年3月から8月にかけて、移送したとのこと。
ちなみに、フランスも米国内に保管していた140トンの金を売却して、売買益を計上した。
ドイツは既に以前から公的金の保管場所を米国から自国内と英国に分散している。
イタリアは公的保有金の4割を自国内保管、残りを英国、スイス、そして米国に分散保管。
この欧州諸国の金塊レパトリ傾向には、明らかに政治的意図が働いている。
トランプ政権下で、米国と欧州の関係に歪みが生じ、この傾向が昂じれば、米国内に預けた公的金の凍結、差し押さえの可能性さえ、無視できない状況になっているということだ。
筆者は「金を通して世界を見る」ことを語ってきたが、まさに、これは、その事例といえよう。
さーて、「灼熱の東京に滞在は20時間以内」と意を決して札幌から東京出張を「敢行」したが、なんだ、東京も涼しいじゃない。
ちょっと拍子抜け。
とはいえ、まだまだ、異常気象が収まる気配は感じられず。やはり、早々に東京を離れる。
本稿は羽田空港のラウンジで執筆した。東京滞在19.5時間!
まぁ、久しぶりに、顔なじみの野良ネコちゃんに会えたことは良かったな(笑)
札幌で唯一、寂しく思うことが、猫離れ。


