エネルギーショックに晒されているインドのモディ首相は、その対策のひとつとして、国民に1か年、金購入自粛を要請した。

インドは世界第二位の金需要国ゆえ、金輸入額も大きく、国際収支赤字要因になっている。そこで、エネルギー輸入負担を和らげる一策として、金購入自粛という措置をとったのだ。

インドは金への文化的選好度が高い国民性で、イラン有事に対する金購入というより、娘の持参金としてゴールドジュエリーを持たせる習慣がある。それゆえ、「金輸入禁止」ではなく「自粛」と言う措置に果たして効果があるか疑問だ。そもそも、インドの海岸線は長く、密輸が日常茶飯時だ。ドバイから、船で、大量の金塊が密輸されているが、それを取り締まることなど、できるはずもない。

更に、考えられることは、エネルギーショックが庶民生活を直撃すると、「持参金=持参ゴールド」を売って、凌ぐというような現象が出るのではないか。或いは、ゴールドが規制されるなら、シルバーで代替する動きが出るやもしれぬ。

たまたまの事だが、昨晩のNY市場で銀価格は急騰した。但し、インド要因ではない。単なる投機筋の動きだ。

いずれにせよ、話題性はあるが、今回の措置で国際金価格に影響があるという展開にはならない。現物需要要因は、ジワリ効くもので、即効性はないからだ。


なお、添付写真は、インドのジュエリーショップのシルバーコーナーにて。筆者が手にしているシルバー製品が金色がかって見えるのは映り込み。庶民はシルバーコーナー。お金持ちはゴールドコーナー。    銀を「貧者のゴールド」poor man’s goldとは言いえて妙。