米国は8千トンを超える公的金準備を保有している。

この金塊は、多くの国と異なり、中央銀行ではなく、政府(財務省)が直接保有している。FRBは財務省の保有量に対応する「金証券」を保持し、代わりにドルを政府に振り替えている。
問題は、その振替にあたって、適用される公式評価額は、19年に議会が定めた1オンス=42.22ドルを基準値にしており、その結果、110億ドルに留まる。
そのような状況下で、ベッセント財務長官が、「政府が金準備を評価替えすれば、数千億ドル規模の資金を生み出す」と何気なく語ったことで、市場には憶測が一気に広がった。ベッセント氏は、後にその可能性を否定している。
実際、そのような評価替えをしたら、一気に巨額のマネーが市場に溢れ、とんでもないことになるので、非現実的な話といえる。
債務上限問題に苦しむ米政府としては、魅力的な発想だが。

ちなみに、FRBのエコノミストがレポートで述べた事例があり、ドイツ、イタリア、南アでは再評価の事例もある。しかし、米国の場合は規模が半端ない。
昨日の本欄で予告の通り、9日金曜日7時半からBS TBSの「報道1930」に生出演して、90分番組ゆえ、たっぷり語るつもりだ。