「金は世界経済を映す鏡」と言われるが、高市首相自身が「しょぼい」と言う積極財政が、財政不安と化し、円長期金利(新発10年物国債利回り)がポンと上がり、1.880%を記録。
この影響が、NY債券市場にも及び、ドル金利も上昇(日本は世界最大の米国債保有国ゆえ、債券市場での影響は国際的に強い)。
これは悪い金利上昇ゆえ、金価格には上げ材料となった次第。
結果的に高市積極財政を巡る不安感が、NY金を動かしたわけだ。
本欄はあくまで経済コラムであり、政治的コメントは控えているが、今回の高市発言はいただけないね。
昨日、サウジアラビア主催の国際会議で、「いいから黙って全部オレに投資しろ」との有名なアニメセリフを使い、大見得を切ったことだ。
空気が全く読めていない。
「いいから黙って全部金に投資しろ」とまではいわないが(笑)、首相としては、あまり奇をてらうことなく、粛々と事実を語るに尽きると思う次第だ。
とにかく、現在進行中の金急騰は、金融政策(米利下げ)と財政政策(日米ばらまき)が底流となっていることは間違いない。
ちなみに日銀は利上げに傾いているが、ウォール街では、軽くスルーされている。連日、利上げで大騒ぎしているジャパンとの比較が鮮明だ。BOJの存在感は薄いね。
まぁ、日本では日銀記者クラブのステータスが高いから、報道される機会が多いだけ。ここは、淡々と見て行こう。
ドル円も、BOJ利上げで154円台まで「円高」に振れたが、今日は、155円台に戻って帰ってきた。
そもそも、154円で円高といえるか。
その市場感覚が理解できない。
最後に、エヌビディア株を見切って、金銀を買う流れは絶えない。
ドライパウダー(待機資金)は潤沢だよ。
それにしても、ヘッジファンドにしてみれば、「渡りに舟」だろうね。
エヌビディア売った途端に、供給要因で銀が急騰してくれた。
ウォール街の話題は引き続き、AI株はバブルか?との議論。
賛成派、反対派、真っ二つに割れている。
結果的にどちらになるか。
2026年の株価を占ううえで、最も重要なポイントになろう。


