例えて言えば、ゴールド・ラッシュ(新金鉱脈採掘競争)で、最も儲かるのは、「つるはし」や「シャベル」の生産販売社だと言われる。それと同じような事が、所謂「AIバブル的現象」で起きているように見える。

AI株はバブルだ、と断言した「世紀の空売り王」マイケル・バリー氏が、エヌビディア社をやり玉にあげ、AIブームに乗り、取引相手の会社に、潤沢な資金を供与して、自社製品を使うシステムを作らせていると、批判した。

エスカレートする論調に、遂に、エヌビディア社も猛然と反論する文書をアナリストたちに、密かに(quietly)配布したと複数の米メディアが報じた。曰く「戦略的投資であり、我が社の収入の小さな部分に過ぎない。AIのスタートアップ企業の殆どは、外部の投資家から調達している」。

更に、バリー氏は、エヌビディア社顧客は、資産の耐用年数を人為的に延長することで原価償却を過少評価し、利益を膨張させているとも指摘している。
それに対しては、エヌビディア社は、「我々の顧客は、GPU(画像処理装置)を、実勢に応じて、4年から6年の期間に減価償却している」と主張する。

AIブームを、あくまでドットコム・バブルの再来と位置付けるバリー氏とエヌビディア社の論争は、今後もウオール街での、恰好の話題となりそうだ。
ちなみにエヌビディア株は昨晩急落した。


2026年の金価格予想は5,000ドルが多いが、中銀の大量金買いをバブルとはいえない。
しかし、AI株は、期待値も含めて、異常に割高であり、バブル論が根強い。
金市場と株式市場。
バブル論は明暗を分ける。