先週後半になって、FRB高官から、12月利下げを肯定する発言が出始めた。
それも、FRB高官のなかでも、特に影響力が強い二人から。
まず、ウイリアムズNY連銀総裁。NY連銀は常任投票権を持ち、FOMCでも中心的存在だ。その発言は、利下げを示唆する内容であり、市場の織り込みをひっくり返すほどの影響力があった。
次に、ウオラーFRB理事。同氏は、次期FRB議長の有力候補だ。彼は、トランプ派であり、元々、利下げ論者ではあった。しかし、他のFRB高官から相次いで12月利下げ見送り説が語られ、市場もすっかり、その気になっていたところでの発言ゆえ、効果があった。
12月利下げ確率も、元々90%超えだったのが、一時は40%程度まで、落ち込み、それが、この数日で70%超まで上がってきた。
金利を生まない金には朗報であり、KITCOグラフ赤線の如く、4,140ドル近傍まで上昇中だ。
とはいえ、今週のNY市場は感謝祭を迎え、休日モード。市場参加者は限定的だ。感謝祭が終われば、12月クリスマス休暇を視野に、ヘッジファンドなどは、ポジションを手仕舞う。
2025年通年で見て、金価格が、ここまで上がれば、充分であろう。
2026年は5,000ドルが視野に入る年。
他の市場も気になる。
日経平均が、ソフトバンク一社の株価に大きく振られる異例の展開。
AIはバブルなのか。まだ答えは出ない。
そして、円安。
日本の財政赤字懸念による円売り傾向が顕著だ。
日本国債も危うい、このリスクは本欄でも語ってきたところだ。
10年債利回りが1.80%まで上昇中だ。今年の安値は1.03%であったから、そのインパクトは大きい。日本国債の買いが薄く、米ヘッジファンドが、JGB(日本国債)売り攻撃を仕掛けている。
タカイチ積極財政への不信任票ともいえる現象だ。
今や、世界でも最悪級の財政赤字を「誇る」日本。
その正常化は、想像を絶する難路だ。これひとつだけでも、日本の個人投資家が金を買う理由として十分すぎるくらいのインパクトを秘める。
加えて、日中悪化。日中のビジネスは、確実に長期的に、細る。
これは、対中依存度の高い日本経済に、中期的に、強い押し下げ効果となるは必至だ。これも円安に拍車をかける。
それゆえ、円建て金価格には、下支え要因となろう。
それにしても、喜べない円安だ。
円建てで金をリスクヘッジとして長期保有して、役立たない
事を眞に祈るのみ。
さて、日々、東京で、札幌級のジェラートを模索しているが(笑)戸越銀座に、ジェラトリアを見つけた。たしかに、ミルクそのものの純粋アイスクリーム。しかし、やはり、札幌東急のジェラートには及ばぬ。アイスクリーム評論家の判定は厳しいのだ(笑)


