国際金価格は、4,000ドル台をキープした。
底堅い展開だ。
さて、今日の話題は、ロシアの公的保有金2,329トンが、どうなるか、ということ。
これは、プーチン大統領の痛恨の見誤りなのだが、今回の経済制裁が、金にも及び、ロシアの中央銀行金庫に保管されている2,329トンの金を、ロンドン金市場で売却することも禁じられてしまった。
こうなると、喉から手が出るほど欲しい外貨の調達に大きな支障をきたす。結果的に、宝の持ちぐされになっているのだ。
筆者は、ここで、中国が、それを買い取る可能性に注目している。中国の公的保有金は2,303トン。
しかるに、外貨準備の中の金の割合は僅か7.7%(ロシアは40.6%)。中国の外貨準備高は断トツで世界一ゆえ、このような少ない割合になるのだ。言い換えれば、中国は、まとめて金を購入して、その割合を高める方策をあれこれ考えていることであろう。「隠れ外準」で金を簿外で大量に保有しているという噂もあるが、真偽は定かでない。
大量の金を売りたいロシアと、買いたい中国。
但し、ロシア側の外貨獲得といっても、中国は人民元建て決済を要求するだろうね。仮に、中国が買わねば、ロシアへの経済制裁が緩和されるときに、ロンドン金市場で大量の金を売却する可能性もちらつく。これは、金価格下落材料となる。2026年の金価格展望にあたり、要経過観察事項となろう。
なお、外貨準備の中の金の割合は、米、独、仏、伊は80%前後!
これ、ひとえに金価格急騰の影響だ。そのなかで、我が日本は、わずか7.8%(846トン)。日本は中国に次ぐ外貨準備保有国なのに、あまりに寂しいね~
まぁ、日銀が買う気ないのなら、日銀OBたちは、せっせと個人的に金を買っていることだし、個人投資家も自衛策で自ら金を購入して備えるということになろう。
ちなみに、米国は8,000トン台、独、仏、伊は3,000トン前後の公的金を保有している。


